【ワシントン、モスクワ共同】米政府は11日、ロシアで拘束されていた米国人男性が解放されたと発表した。トランプ大統領がロシアのウクライナ侵攻の早期終結を目指す中、ウォルツ大統領補佐官は声明でロシア側が「誠意」を示し、停戦に向け「正しい方向に進んでいることを示すものだ」と強調した。解放条件は明らかにしなかった。
男性はウィットコフ中東担当米特使と共にロシアを離れた。ニューヨーク・タイムズ紙によると、ウィットコフ氏が水面下で交渉を進め、自家用ジェットでロシアに入っていた。米政府高官のロシア入りが明らかになったのは2021年11月のバーンズ前中央情報局(CIA)長官以来。22年2月のウクライナ侵攻開始後は初めて。
トランプ政権にはウクライナ・ロシア担当特使のケロッグ氏がいるが、同紙によると、トランプ氏がロシアとの交渉ルート構築を目的としてウィットコフ氏の権限を拡大した。トランプ氏はパレスチナ自治区ガザの停戦合意で重要な役割を果たしたウィットコフ氏を高く評価している。