名古屋市で創業して今年で100年の文具・印章メーカーの「シヤチハタ」は、画期的な商品開発を続けている。(共同通信=川村剛史記者)
1925年、押印のたびにインキをスタンプパッドに補充する手間を不便に感じた舟橋金造と高次の兄弟が「舟橋商会」を創業。インキが浸透してスタンプパッドが乾かない「万年スタンプ台」を発売、評判を高めた。
社名は、名古屋城を象徴するしゃちほこと日の丸の旗を組み合わせたシンボルマークが由来だ。
1965年、スタンプ台なしで帳簿などに繰り返し押せるスタンプ「Xスタンパー」を発売。1970年の大阪万博に出展すると便利だと評判を呼び、一気に人気に。1986年のはんこ「ネーム9」は、顔料インキ内蔵で名前用として繰り返し使え、シヤチハタ印として浸透している。
デジタル化にも対応し、1995年に電子印鑑システム「パソコン決裁」を発売。近年はクラウド対応の「シヤチハタクラウド」の利用が増えている。
学用品に手書きで記名する手間を省く「おなまえスタンプ」や、手を洗うと印影が消えて手洗いの練習ができる「おててポン」もヒットしている。