【ワシントン共同】米共和党のトランプ大統領は11日、連邦政府の規模を大幅に縮小させるため、実業家マスク氏率いる新組織「政府効率化省」と協力するよう各省庁に指示する大統領令に署名した。議会の承認を得ずに支出削減を進め、選挙を経ていないのに、違法に権力を掌握していると民主党議員から非難されるマスク氏を後押しする狙いがありそうだ。
大統領執務室でトランプ氏は対外援助事業を担う国際開発局(USAID)について、根拠を示さずに「とても腐敗しており無能だ」と批判し「政府の汚職を取り除きたい」と訴えた。
同席したマスク氏は「納税者の支出で裕福になっている職員がいる」と述べ、支出削減を断行する考えを示した。
大統領令は政府効率化省と連携しながら、必要不可欠なポスト以外の職員を削減し、雇用も制限するよう指示。4人の退職につき、職員1人しか採用しないようにして人員削減を図る。治安維持や国家安全保障、移民対策に関わる組織は例外として扱うという。
マスク氏はUSAIDや消費者金融保護局の解体を目指している。