福島市土湯温泉町で10日に雪崩が発生し、県道がふさがれて野地温泉地区で孤立していた宿泊客やホテル従業員ら計62人のうち希望者40人が12日午前、ヘリコプターで救助された。午前9時45分ごろ、5人を乗せた第1便が同市荒井の福島県警ヘリポートに到着したのを皮切りにヘリ2機が計8回に分け搬送した。福島県によると、体調不良を訴えた人はいない。
救助された人らはバスでJR福島駅に移動。娘と泊まっていた埼玉県川口市の会社員車田拓実さん(41)は年10回ほど訪れる常連客といい「今までで一番雪道がひどかった。車を宿に残しており、道路が早く復旧してほしい」と願った。埼玉県の男性会社員(66)は「宿の方が逐一状況を報告してくれ、安心して過ごせた。こんなに長引くとは思わなかった」と驚いた様子だった。
雪崩は10日午前4時ごろ発生し、温泉宿3軒の計約160人が孤立。いったん除雪が終わり一部の客らが宿を離れたが、同じ場所で同日午前11時40分ごろに再び雪崩が起き62人が孤立した。ライフラインは維持されていた。