トヨタ自動車労働組合は12日、2025年春闘の要求書を経営側に提出した。物価高を踏まえ、過去最高水準だった24年春闘と同じ水準の賃上げを要求。同日には製造業をけん引する自動車大手労組の要求が出そろい、25年春闘は本格的な労使交渉に突入する。自動車業界では日産自動車が経営不振に陥るなど一部で業績が落ち込んでおり、賃上げの勢いを維持できるかどうかが焦点となる。
トヨタ労組は、具体的な要求額や、基本給を底上げするベースアップ(ベア)相当分の水準は公表していない。年間一時金(ボーナス)は7.6カ月分とした。トヨタの経営側は「トヨタや自動車産業全体で仲間と共に成長し、一緒に未来をつくっていくための議論をしていきたい」とコメントした。
日産自動車労働組合はベアと定期昇給分に相当する額として、24年と同水準の月額平均1万8千円を要求。ボーナスは業績悪化を受け、0.6カ月分引き下げて5.2カ月分とした。ホンダの本田技研労働組合も要求書を提出し、ベアと定期昇給分を含む総額で月額1万9500円を求めた。