破産手続きが始まる前に関連会社の現金約5億5千万円を、正規取引を装って自社に移して隠したとして、警視庁は12日までに、破産法違反(詐欺破産)の疑いで、電源開発事業会社「NC電源開発」(青森市)の代表取締役大山顕徳容疑者(46)=住所不詳=ら男4人を逮捕した。捜査関係者への取材で分かった。
警視庁は、会社を破産させて滞っていた取引先への支払いを免れた上、財産没収を回避する目的だったとみて調べる。他に逮捕したのは、同社元役員で中国籍の孟繁栄容疑者(37)=東京都港区。
逮捕容疑は2019年12月~20年5月ごろ、債権者に不利益を与える目的で、正規取引を装い複数回にわたり、関連会社の太陽光発電事業会社「NCD Engineering(NCDE)」(破産)の現金約5億5千万円をNC電源開発の口座に移転させるなどした疑い。大山容疑者は黙秘し、孟容疑者は否認している。
捜査関係者によると、NC電源開発の所有する土地を実際より高くNCDEに購入させるなどしていた。