埼玉県八潮市で県道が陥没しトラックが転落した事故で、県は12日正午、県内12市町の約120万人に求めていた下水道の利用自粛を解除した。進めてきた排水工事などの効果で、下水道管内の水位を減らすめどが立ったためだとしている。事故発生から約2週間にわたり、節水を続けてきた住民からは「ほっとした」との声が上がった。
県は同日、陥没の原因となった下水道管や道路の復旧工事費用として、40億円を盛り込んだ2024年度の2月補正予算案を公表した。工事は25年中の完了を目指すとしている。
陥没現場から約30メートル下流の下水道管内で見つかったトラックの運転席部分の中に、不明の男性運転手(74)が取り残されている可能性があるとみて捜索を進める。県は運転席部分について、水の流入を止めるため下水道管の上流と下流をつなぐバイパス工事を行うとともに、地上から穴を掘って引き上げる方法も検討している。
一連の捜索活動では、破損した下水道管から出た水が妨げとなっていた。