ホンダと日産自動車は13日に経営統合に向けた合意の撤回を正式に決定し、発表する見通しだ。業績が悪化している日産の合理化策の具体化や、ホンダによる日産の子会社化案で溝が深まり、協議は決裂した。電気自動車(EV)への移行が進み自動車産業が変革期を迎える中、歴史的な再編計画は昨年12月の協議入り発表から2カ月足らずで頓挫する。
両社は13日にそれぞれ取締役会を開き、協議打ち切りを決める方針。これとは別に、日産が筆頭株主の三菱自動車を含む3社で、EV向けソフトウエア開発などでの協業に向けた交渉は継続する方向で調整している。
一方、日産への経営参画を探る台湾の電子機器受託生産大手、鴻海精密工業の劉揚偉会長は12日、日産と接触していることを認めた上で「買収ではなく、協力」が目的だと述べた。台湾北部・新北市で記者団の取材に応じた。鴻海はEVの受託生産ビジネスの確立を目指しておりホンダとも接触しているという。
ホンダと日産は13日午後にそれぞれ2024年4~12月期決算の説明会を予定している。