JR東海は12日、愛知県小牧市の研究施設で、次世代の太陽電池として注目されるペロブスカイト太陽電池を使った発電の実証実験を報道陣に公開した。二酸化炭素(CO2)排出削減に向けた取り組みの一環で、積水化学工業(大阪市)と連携して開発を進める。将来は東海道新幹線の線路脇の防音壁に取り付け、駅などで使用する電力の生産を目指す。
ペロブスカイト太陽電池は従来と比べ、薄く軽量で多様な場所に設置できる。JR東海は高所を走る区間が多く、営業距離が500キロ以上ある東海道新幹線に着目。日光を遮る障害物が少なく、効率的な発電が期待できると1月から実験を始めた。
実験では、太陽電池を取り付けた防音壁の試作品を、屋外で東向きと南向きに計4枚設置し、モニターで発電量の違いを継続的に観測。今後は長期的な発電量や日射量の傾向も調べる予定だ。
防音壁は30年以上使用できるのに対し、太陽電池の寿命は10~20年と短いため、試作品は電池を壁の下側から曲げ入れたり出したりできる構造にし、交換を容易にした。