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「やること好ましくない。実行するか否か考えた記憶がある」青葉被告、放火直前に犯行ためらう?

京都新聞 2023年9月14日 11時54分

 36人が死亡、32人が重軽傷を負った京都アニメーション第1スタジオ(京都市伏見区)の放火殺人事件で、殺人などの罪に問われた青葉真司被告(45)の裁判員裁判の第6回公判が9月14日、京都地裁で開かれた。前回審理に引き続いて被告人質問があり、青葉被告は第1スタジオにいた京アニ社員にガソリンを浴びせて火をつける直前の心境を振り返り「やることがあまり好ましくない。物事を実行するか否か考えた記憶がある。それでも、どうしても許せなかったのが京アニだった」と述べた。弁護側の質問に答えた。

 検察側は5日の冒頭陳述で、青葉被告は事件3日前の2019年7月15日に京都へ入り、事件現場となる第1スタジオを下見した上で、事件前日までにホームセンターでガソリン携行缶を購入したと説明。犯行動機について「小説のアイデアを盗作されたと一方的に思い込んで京アニを恨み、社員も連帯責任だと考えた」と指摘していた。

 公判で弁護側は、青葉被告が事件を起こしたのは「被告の人生をもてあそんだ『闇の人物』への反撃だった」と主張。事件当時の青葉被告は妄想性障害の影響で心神喪失か心神耗弱の状態だったとして、無罪か刑の減軽を求めている。一方、検察側は、妄想に支配された末の犯行ではなく「筋違いの恨みによる復讐」と指摘。青葉被告には事件当時、完全責任能力があったとしている。

 起訴状によると、青葉真司被告は2019年7月18日午前10時半ごろ、京都市伏見区の京都アニメーション第1スタジオに正面玄関から侵入し、ガソリンを社員に浴びせてライターで火をつけて建物を全焼させ、屋内にいた社員70人のうち36人を殺害、32人に重軽傷を負わせた、などとしている。

 

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