Infoseek 楽天

マスク無し合唱「復活」 滋賀・びわ湖ホールでオペラ「ばらの騎士」24年3月開催

京都新聞 2023年9月16日 11時0分

 滋賀県立芸術劇場「びわ湖ホール」が自主制作し、2024年3月2、3日に上演するプロデュースオペラ「ばらの騎士」の制作発表が行われた。新型コロナウイルスの法的位置付けが「5類」へ移行したことから、2019年以来となる有観客での本格公演になる。芸術監督としてプロデュースオペラを初めて手がける阪哲朗さんと、歌手が意気込みを語った。

 ばらの騎士は、ウィーン貴族社会の恋愛劇を流麗で優美な音楽で描いたリヒャルト・シュトラウスの傑作。阪さんのタクトのもと、劇場専属のびわ湖ホール声楽アンサンブルと、京都市交響楽団が合唱と管弦楽を担う。

 プロデュースオペラは、コロナ禍に見舞われた20年以降は無観客上演や舞台の簡略化を余儀なくされてきた。今回のばらの騎士では舞台装置をそろえ、マスク無しで合唱するステージを復活させる。

 大津市打出浜の同劇場で行われた制作発表で、阪さんは「(元帥夫人と愛人オクタヴィアンの)逢瀬の余韻で始まり、二人は離れていくが、これが後の時代のためになる。音楽も保守的に見えるけれど革新的なことをやっている。モーツァルトやヨハン・シュトラウスがいたウィーンの、集大成のような作品」と魅力を語った。

 キャスティングではメゾソプラノの山際きみ佳さん、ソプラノの船越亜弥さんら声楽アンサンブル出身の歌手をソリストに多数起用した。オクタヴィアンを演じる山際さんは「これができたら歌手生活が終わってもいいと思うほど大切な役。このホールでできる喜びと高揚感に包まれている」と興奮を抑えきれない様子だった。

 元帥夫人役で、欧米の歌劇場で活躍するソプラノの森谷真理さんは「優美さと華やかさ、でもそこに共にある切なさとはかなさ、色気を存分に楽しんでほしい」と笑顔を見せた。

この記事の関連ニュース