滋賀県近江八幡市のヴォーリズ建築「吉田悦蔵邸」で、ピアノとチェロのコンサートが開かれた。来場者たちは趣ある建物に調和した音色に聞き入った。
邸宅は米国出身の建築家ウィリアム・メレル・ヴォーリズの片腕として活動した吉田悦蔵の住居として大正時代に建てられた。コンサートは、悦蔵のひ孫に当たる鮎美さんと、鮎美さんの母でピアニストの桂子さんが企画し、開催している。
この日は、桂子さんとチェリストの城甲(じょうこう)実子さんが共演し、エルガーの「愛のあいさつ」やシューマンの「献呈」など計10曲を披露。明るい日差しが差し込む室内に美しい音色が響いた。
家族で訪れた女性(68)は「今も建物が生かされ、多くの人が集う場になっていて、ヴォーリズさんも喜んでいるのではないかと思う」と思いをはせた。
開演前には建物内を見学する時間も設けられ、来場者は100年以上にわたり大事に受け継がれてきた建物の魅力に触れた。