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「妻は死にたいと言っていた。誤った選択だった」 承諾殺人事件、84歳夫に懲役4年求刑

京都新聞 2023年11月2日 18時31分

 介護していた妻を承諾を得て殺害したとして、承諾殺人の罪に問われた無職の被告(84)の初公判が2日、大津地裁(谷口真紀裁判官)であり、被告は起訴内容を認めた。検察側は懲役4年を求刑し、弁護側は執行猶予付き判決を求め、即日結審した。判決は16日。

 起訴状によると、被告は8月20日、自宅の寝室で、寝たきりだった妻(82)の承諾を得た上で、妻の首をゴムひもで絞めて殺害した、としている。

 検察側は冒頭陳述で、妻が3年前に脳梗塞にかかってから寝たきり状態で、4月に誤嚥(ごえん)性肺炎で入院し、8月には被告が病院側の反対を押し切って退院させたと指摘。被告自身も病気の治療が必要な状態で、介護に限界を感じた上、妻が自殺願望を持っていたことから、心中することを考え、妻の了承を得て犯行に及んだとした。論告では、支援体制が充実し周囲に頼れる環境下で犯行に及び、「動機は安易で身勝手なものだ」と非難した。

 弁護側は、被告が事件直後に自首して反省するなど罪に向き合っているとして、情状酌量を求めた。

 被告人質問で被告は、「妻は口癖のように『死にたい』『殺してちょうだい』と言っていた。誤った選択だった」と話した。
 

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