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京都市の民間保育園の3割が赤字決算 補助金減額で、保育士の給与引き下げも

京都新聞 2023年11月9日 5時16分

 京都市が昨年度に民間保育園向けの人件費補助金を減額した影響を受け、市内の266園の約3割にあたる70園で、保育事業にかかる昨年度の全体収支(事業活動収支)が赤字決算になっていたことが11月8日、市の調査で明らかになった。保育士ら職員の給与を引き下げた園も3割に上った。

 京都市は長年「プール制」と呼ばれる独自制度を運用して園に人件費を補助してきたが、財政難や補助金の一部が別目的に流用されるケースがあったことなどから22年度に制度を変更。補助金を人件費以外に使えないようにし、全体の補助額は約13億円削減された。

 京都市が経営への影響を調べるため、各園の昨年度決算を調査したところ、70園(26.3%)が赤字だった。本給やボーナスを含めた職員給与を引き下げたのは回答のあった221園中66園(29.9%)あり、そのうち、補助制度の見直しを理由としたのは50園だった。

 市議会はぐくみ文教委員会で報告され、市議から「ベテラン保育士の給与が下げられているのが問題。それを検証すべきではないか」「今の制度では、待遇問題が改善されない」といった指摘があがった。

 市は、制度変更が職員給与や園の経営に与えた影響が大きいと見て、本年度、人件費補助金を4億円程度増額する方針を示している。

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