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無償送迎予約、アプリのみから電話OKで依頼急増「高齢者にスマホ難しい」

京都新聞 2023年11月16日 6時0分

 京都府舞鶴市の高野地区で行われているスマートフォンアプリを使った自家用車による無償送迎事業で、8月から電話予約もできるようにしたところ、依頼回数が急増した。市は本来の需要が確認できたとして、来年度から住民団体による有償運送への移行を目指す。

 アプリはオムロンの子会社「オムロンソーシアルソリューションズ(OSS)」が開発した「meemo(ミーモ)」。乗車地と目的地を入力すると、送迎可能な住民が表示され、マッチングが成立すると同乗を依頼できる。

 高野地区は路線バスが走っておらず、鉄道駅からも距離があるため、市とOSS、日本交通が2020年度に無償送迎事業の実証実験を始め、昨年6月から本格実施している。

 22年度の月平均依頼回数は28.5回、成立回数は22.8回と低調だった。市によると、地域住民から「高齢者にはスマホの操作が難しい」「早朝の病院への通院時に確実な事前予約をしたい」との要望も寄せられていたため、電話予約制度を導入。利用者が前日から利用1時間前までにコールセンターに電話し、職員が運転手とのマッチングを行うことにした。

 電話予約制度を始めた今年8月は依頼回数が82回(アプリ22回、電話60回)で送迎成立は73回、9月は依頼回数107回(アプリ26回、電話81回)、成立が103回と、一気に3~4倍ほどに増えた。

 高齢者の利用のハードルが下がって依頼回数が増え、マッチング率も高い水準を維持する一方、ボランティアで送迎を担う住民の負担は増した。市は無償のままでは持続性に欠けるとみて、地域住民による運営組織立ち上げを促し、国の自家用有償旅客運送制度への登録を目指すという。

 舞鶴市企画政策課は「電話予約の導入で移動の希望があるのに、できなかった人がいたことが分かった。公共交通の薄いところを住民の協力で対応していきたい」としている。

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