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「全国の模範」京都・福知山の自主防犯組織が総理大臣表彰 得意分野生かし活動広げる

京都新聞 2024年1月11日 11時0分

 京都府福知山市三和町の自治会や学校、企業などが参加する自主防犯組織「三和地域安全・安心サポートネットワーク」が活動の場を広げている。子どもたちを見守る防犯パトロールだけでなく、不法投棄を防ぐ清掃活動や国道沿いの花壇の植え替えなど、参加団体が連携して地域の安全確保に努めている。メンバーらは「自分たちの地域は自分たちで守る。各団体の得意分野を生かし防犯意識を高めたい」と話している。

 同ネットは、福知山署の駐在所を中心に防犯活動を推進する「府民協働防犯ステーション」として2011年9月に結成。町内の三和、菟原両駐在所が事務局を務める。

 三和町の地名にちなむ「みんなで取り組む防犯のわ」を合言葉に、国道9号沿いの花植えや交通安全看板「飛び出し坊や」の制作、小中一貫校三和学園の登下校時の見守りに取り組む。22年からは3月8日を「みわ防犯の日」と定め、国道9号沿いでのぼりや横断幕を手に安全運転を呼びかけている。

 構成団体の一つで、同町寺尾地区の住民でつくる「寺尾ボランティア59」は18年秋から、兵庫県丹波市とを結ぶ府道59号で月1回のごみ拾いを続ける。人目に付かない山林や川への不法投棄に長年悩まされてきたためだ。代表の荒木徳尚さん(81)は「住民で協力し、ごみを捨てさせない環境を実現できた。住民同士の交流の場にもなる」と話す。

 同ネットは昨年10月、警察庁の「安全安心なまちづくり関係功労者」で最高の内閣総理大臣表彰を受けた。小原正樹代表(74)=同町上川合=は「全国の模範として評価されたのはうれしい。住民の高齢化で継続性に課題はあるので、若い世代を巻き込んで事件、事故を未然に防ぎたい」と意気込む。

 三和駐在所の木下敦志警部補(45)は「防犯活動は住民が楽しんで続けることが重要。日頃の活動を通じて情報共有や課題解決につなげたい」と話し、さらなる参加団体の拡大を期待する。

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