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中国織物特有の色鮮やかさ伝える 京都・与謝野町教委、町内の祭りの見送幕など

京都新聞 2024年2月4日 17時59分

 京都府与謝野町教育委員会は、町内の祭りで使われていた見送幕と水幕の計3点を町の文化財に指定。丹後ちりめんで栄えた経済力を示しているほか、清の時代に見られた中国織物特有の色鮮やかさや、西洋の綴織技法を模した幕が製作されていた歴史を伝える点で価値があるという。

 後野区宮本町芸屋台「愛宕山」見送幕、金屋区芸屋台見送幕、三河内区奥地町内会山屋台「倭文山」水幕で使われていた。

 愛宕山の見送幕は縦165.5センチ、横115.5センチで、1825年に制作され、三爪龍や波、宝玉、瑞雲などめでたい図柄が描かれている。中でも3本爪の龍は、官吏の服飾に用いられていたという。

 金屋区芸屋台の見送幕は縦166.5センチ、横112.2センチで、1790年に作られた。滝を背景に談笑する三人の仙人が描かれている。

 倭文山の水幕は縦68.8センチ、横9メートル65センチで中国清朝の17世紀後半から18世紀中期の作と推測される。八角形と四角形の中に花の模様が描かれ、奥地町内会が明治に入り、峰山藩の織元町から山屋台「高砂山」とともに買い受けたと伝わる。

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