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丹波漆、黒谷和紙の現状は? 「若者にどう技術継承するか課題」

京都新聞 2024年3月15日 12時30分

 京都府内の地域課題の解決に向けて西脇隆俊府知事が現地を視察するプロジェクトが、綾部、福知山両市であり、丹波漆や黒谷和紙など伝統産業の関係者と意見交換した。

 プロジェクト第1弾として、西脇知事は黒谷和紙会館(綾部市黒谷町)と中丹家畜保健衛生所(福知山市半田)を見て回った。

 同会館で開かれた意見交換では、NPO法人丹波漆(福知山市夜久野町)の高橋治子理事長(57)が中国産漆が市場の9割以上を占め、担い手が減っている現状を説明。「漆をかく技術を伝える木がなく、若い人が技術を学ぶためのお金や時間をどうするかが課題だ」と強調した。

 黒谷和紙協同組合(綾部市黒谷町)の林伸次理事長(55)は職人の志望者は一定数いるとした上で「若者が生活できるよう、仕事を定期的に確保することが重要」と語った。

 福原表具店(舞鶴市平野屋)の福原習作社長(56)は、住宅の修繕や黒谷和紙と共同で商品化した襖(ふすま)をアピールする一方、「生活様式の変化で需要は減っている。喚起策が求められる」と訴えた。

 西脇知事は「生産体制を維持し、持続可能な形の支援を考えたい」と述べた。

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