季節の節目に子どもの幸福や無病息災などを願った「節供(せっく)と人形」に着目した企画展が4月27日、京都府立山城郷土資料館(京都府木津川市山城町)で始まった。3月3日を彩る飾り雛(びな)や、5月5日にちなむ五月人形など約20点を通じて、時代によって変わりゆく人形や祝祭の姿を感じられる。
ひな人形のルーツとされる「天児(あまがつ)」「這子(ほうこ)」は、平安時代に幼児を災難から守るために身代わりとして用いられたという。江戸時代に京の人形師が考案したという「次郎左衛門雛」もあり、丸顔で愛らしい表情を楽しめる。歴史や物語の英雄を模した金太郎や牛若丸といった多彩な五月人形も見られる。
同館の福島孝行館長は「昔の人々が抱いた健やかな成長への願いが人形には表れている。少子高齢化の中、子どもへの祈りに思いを寄せてもらいたい」と話している。
展示するのは、館蔵品や「博物館さがの人形の家」(京都市右京区)の所蔵品で、子ども向けの解説パネルも並べている。
6月30日までの午前9時~午後4時半。月曜休館。入館料が必要。