子育て中に「あるある」と感じるエピソードを詠んだ川柳をカードゲームにしようと、NPO法人「京都子育てネットワーク」(伏見区)が準備を進めている。「寝る前の 歯みがきもはや 格闘技」などユーモラスな川柳を楽しみながら、子育てへの社会の理解や親同士の交流を深めてもらうのが狙い。
子育て支援に携わる同ネットワークは、2019年から保護者の交流会などで子育ての体験談を出し合う取り組みを始めた。22年には川柳の公募も行い、これまでに集まったエピソードは約1600点に上るという。
「壁紙に 落書き我(わ)が家の バンクシー」など、大変ながらも楽しい子育ての様子を伝える力作も多い。そこで、子育てを考えるきっかけにしてもらおうと、川柳をカードゲームとして活用することにした。
ゲームは川柳を書いた取り札と、選者評を書いた読み札をセットで各50枚程度用意する。選者評を読み上げ、対応する川柳を想像しながら札を取り合うかるた形式の遊び方や、川柳の「五七五」に続く「七七」を考えて育児中の気持ちを想像するといった使い方などを想定している。
「かけ布団 かけてもかけても 敷き布団」「離乳食 ちゃぶ台返し 令和だよ」と書かれた取り札には、「もう敷き布団だった気がする、とあきらめに達した瞬間でしょうか」「思わず昭和か、とツッこみたくなる瞬間ですね」との選者評が付けられている。
同ネットワークは、人によっては絶望的とも思える状況を面白く伝える川柳は「子育てに対する価値観の多様さを知るきっかけにもなる」と指摘。ゲームが親同士で気持ちをはき出す糸口になったり、企業や学校で子育てを考える道具として活用されたりすることを期待する。「社会にパパ、ママの声を押し出し、地域で子育てへの理解や温かいまなざしが広がってほしい」としている。
商品化を目指し、21日までクラウドファンディングサイト「GIVING100」で資金を募っている。
京都子育てネットワーク070(5435)9307。
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