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どのくらい痩せれば病気リスク下がるか 専門家チームが導き出した「ダイエット目標」とは

京都新聞 2024年4月9日 6時0分

 肥満の人が心臓病や脳卒中の発症リスクを下げるためには、元の体重の7.5%以上のダイエットをキープすることが必要とする研究結果を、京都医療センター(京都市伏見区)などのチームが発表した。医療機関で減量指導を受けた人を調査し、長期的な減量目標を初めて明らかにしたという。国際学術誌に掲載された。

 研究チームは、同センターなど国立病院機構が運営する10医療機関の糖尿病外来や肥満外来に通院し、食事と運動による減量指導を受けている肥満の患者576人に観察調査を行った。

 5年間継続してダイエットに取り組んだ患者は266人で、その半数が3%以上の減量に成功。心臓病など心血管疾患の発症リスクを判断できる血圧や血糖値などの改善効果と体重減少率との関連を調べた結果、減量開始から1年後に5%以上、5年後に7.5%以上の体重を減らすことが発症リスクの低下に有効と結論づけた。

 発症リスクを低下させるには長期にわたる減量と減らした体重の維持が欠かせない。減量に一時的に成功しても再増加するリバウンドが大きな課題で、同センターの浅原哲子・内分泌代謝高血圧研究部長は「運動と食事による減量の継続に向け、長期的な目標をエビデンス(医学的根拠)に基づいて示せた。心血管疾患の発症予防に向けた減量指導と治療につながってほしい」としている。

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