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京都の街がどんどん乾いていく 低下する湿度、かつて差があった大阪や神戸と同レベルに

京都新聞 2024年5月17日 17時50分

 京都の街が乾いている。京都人のいけず度合いが増したのではなく、本当に空気が乾燥しているのだ。100年前と比べ、京都市の平均湿度は1割以上低くなった。かつては大阪市や神戸市より湿度の高い「じめじめした街」だったが、近年はほぼ変わらない状況になっている。原因は何なのか。

 空気の乾燥度合いの指標は相対湿度(湿度)だ。空気の飽和水蒸気量に対し、水蒸気がどれだけ含まれているかを示す。一般的に湿度が60%を超えると「じめじめ」と感じ、カビ・ダニなどの発生が増え、40%を下回るとインフルエンザウイルスなどのリスクが高まるとされる。

 気象庁のデータによると、100年前(1894~1923年平均)の京都の平均湿度は77.5%。しかし、年を追うごとに微減していき、現在(1994~2023年平均)は65.4%だ。

 京都地方気象台によると、都市化が影響しているという。都市化で気温が上がると、飽和水蒸気量も上昇し、同じ量の水蒸気が含まれていても湿度は低下する。また、都市化前は降った雨が水田や地道などから蒸発していたが、アスファルト舗装の普及などで雨が下水に流れ、蒸発量も減ったとみられる。

 大阪市は、100年前が73.7%、現在が63.6%。神戸市は、100年前(※記録がある1897年~1923年平均)が71.4%、現在は65.5%。かつては「三都」の中で、京都市が最も湿った街だったが、現在は神戸市にその座を譲っている。

 水蒸気の供給源となる海に近い大阪、神戸に比べ、京都市は海がなく、都市化による乾燥の影響が最も大きいとみられる。

 ちなみに、滋賀県彦根市は、100年前が78.7%で、現在が74%。滋賀には豊かな自然環境が残されているからだろう。

 京都市が最も乾燥するのは、実は「お肌が荒れる冬」ではなく4~5月で、4月の平均湿度は59%、5月は60%だ。2001年4月23日には最小湿度6%を記録した。

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