京都府京丹波町の魅力を内外に発信する官民連携組織「京丹波イノベーションラボ」(イノラボ)は、町内の子どもたち向けに「出前授業」を今年から始めた。農家やアーティストなど、多彩な人たちが講師を務め、京丹波の魅力や課題について意見を通わせている。
イノラボは町職員やデザイン会社、公募の民間メンバー26人で構成。SNSやマルシェイベントで町の魅力を発信している。子どもたちとも町の魅力を一緒に考えたいと、今年から町内の学校へ赴き始めた。
同町豊田の須知高では2年生19人を前に、5月17日に授業をした。講師は町職員や若手農家、和太鼓奏者の3人のほか、東京のデザイナーがオンラインで参加した。
大阪府から京丹波町に数年前に移住してきた和太鼓奏者(45)=同町=は、自身の経歴や仕事内容を動画を交えて紹介。町の良いところを生徒から尋ねられると、「都会からの移住者にとっては、普通の田園風景こそが魅力。楽器の演奏もしやすく、外国人からの需要も高い」と説明した。
若者の人口流出をテーマに学んでいるという2年の生徒(16)は「地域性と仕事がマッチすれば若い人でも移住につながることが分かり、明るい視点が持てた」と話した。
イノラボは今後、中・高を中心に出前授業を展開していきたい考えで、「生徒たちに地域課題の解決に直接関わってほしい」としている。