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水漏れや電球交換…困り事解決「お助けマン」は81歳! 電話1本で参上「ほんまにありがたい」

京都新聞 2024年4月7日 17時30分

 蛇口の水漏れや網戸の張り替えなど地元住民の困り事を、80歳を超えてもボランティアで解決している男性がいる。25年以上も「お助けマン」を続けており、「困った」と電話がかかってくれば、道具入れを持って自転車で駆け付ける。高齢化に伴って依頼は増え続け年間100件を超えるが、原動力は「ありがとう」の言葉と笑顔といい、情熱は衰えを見せない。

 京都市中京区在住で、朱一学区社会福祉協議会の中村邦克さん(81)。もともと家の修理など大工仕事が趣味で、1997年に同協議会に入った時、その技を生かして人助けができないかと考え、「困り事何でも相談事業」を始めた。

 当時は大阪市内で働いていたため、町内の福祉委員を通じて依頼を受け、週末を利用して依頼者の家に出向いていた。約10年前、仕事の拠点を京都に移し、依頼の電話を直接受ける方式に変えると、相談がどんどん増えていったという。

 内容は多彩だ。蛇口の水漏れや電球の交換はもちろん、外装のひび割れの修理や日よけの設置、電話の配線など、水回りから大工仕事、電気系統にまで及び、「できることならなんでもする」と断言する。

 3月下旬に訪れたのは、1人暮らしの重政和子さん(85)宅。依頼は、蛇口の水漏れと止まらなくなった換気扇、開閉しにくくなってしまった押し入れの引き戸の修理だ。中村さんは蛇口のゴムパッキンを慣れた手つきで替え、高い位置にある換気扇も軽い身のこなしで椅子に乗って直した。

 引き戸は、家の老朽化で天井が下がってきて、はりにつかえているのが原因と判明した。ジャッキではりを持ち上げて戸を外し、かんなで戸の底の部分を削って開閉しやすくした。重政さんは「すぐに来てくれはるし、親切で丁寧。ほんまにありがたい」と感謝する。台風で物干し台の波板屋根が飛んだ時も、修理してもらったという。

 中村さんは、市消防局が地震対策のために高齢者宅などに配布した家具転倒防止板を約80軒に設置して回ったこともある。80歳を超え、周囲に止められて大屋根の修理はやめたが、「困り事解決をやらせてもらって自分が元気をもらっている。これからもできる限り続けたい」と笑顔で話す。

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