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京都・祇園祭の厄よけちまき作り、一部を機械化 CFで「支援を」、担い手高齢化で確保課題

京都新聞 2024年4月19日 6時0分

 祇園祭の放下鉾保存会(京都市中京区)関係者が厄よけちまき作りを一部機械化する試みを始めた。熟練の技を持つ担い手の高齢化で技術の継承やちまきの確保が課題になる中、保存会では将来を見据え専用機械の開発や、担い手育成にも取り組む。支援を募るクラウドファンディング(CF)を始めた。

 祇園祭に欠かせない厄よけちまきは、稲わらを芯にしてササで包み、イ草を巻いて成形。それを10個束ねて完成させる。

 同保存会役員の松原常夫さん(73)は年々厳しくなるちまきの確保に直面し、手業の必要なイ草を巻く工程を機械化し、ベテランでなくてもちまきを作れるようにすることを思いついた。市内の会社と開発した専用の装置を右京区京北町の作業場に設置し、新しい担い手の育成にも挑戦している。さらに、一般社団法人「厄除チマキ保存会」を設立して、将来は同じ課題に直面している他の鉾のちまき作りも引き受けることを目指している。複数台の専用機械の導入や作業場の確保などに数百万円が必要としており、厄よけちまきの伝統を後世に伝えるため、広く支援を求めることにした。

 CFは、放下鉾が巡行する祇園祭前祭の7月17日まで、京都新聞社が運営するサイト「THE KYOTO」で受け付ける。目標額は100万円。支援額に応じて特製の厄よけちまきや辻回しの竹を使ったストラップ、ミニチュア鉾、ちまき作り体験などの返礼を用意している。

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