犯罪や非行のない社会を築く「社会を明るくする運動」の強調月間(31日まで)に合わせ、大津市のびわ湖大津館がシンボルカラーの黄色にライトアップされた。3日夜の点灯式には、更生保護関係者ら約50人が参加し、5月に殺害された保護司の新庄博志さんを追悼し、立ち直り支援の推進を改めて誓った。
新庄さんは大津市の自宅で殺害されているのが見つかり、新庄さんが保護観察を担当していた男が殺人容疑で逮捕された。
式の冒頭、参加者は新庄さんに黙とうをささげた。大津保護観察所の宮山芳久所長は「以前、運動の活動中に一般の人から、なぜ犯罪や非行をした人の手助けをしているんだと批判を受けたこともある。こうした事件が起きたからこそ、更生支援が犯罪を防ぎ、ひいては地域の安全安心につながると訴えていくことが大切だと思う」と呼びかけた。
午後7時50分ごろに同館がライトアップされ、参加者は拍手を送り、黄色に照らされた建物を見つめた。
参加者の一人で、新庄さんの後任として県更生保護事業協会の事務局長を務める中川和良さん(70)は「これまでの保護司制度の良い部分は残しつつ、変えるべき所は変えていかないといけない」と今後を見据えた。