「世界最高齢プログラマー」として知られる若宮正子さん(89)=神奈川県藤沢市=が、京都府城陽市寺田の文化パルク城陽で「人生に『もう遅い』はない」と題して講演した。独学でパソコンを習得し、80代でアプリを開発した自身を例に、年齢にかかわらず挑戦する大切さを強調した。
戦争経験者である若宮さんは高校卒業後、旧財閥系の銀行に勤務。退職目前でパソコンを買ってIT技術に興味を持ち、81歳で高齢者が楽しめるゲームアプリを開発した。米アップル社から連絡を受けたのを機に、世界中から注目を浴びた。
若宮さんは、60歳を過ぎて人生が面白くなったと紹介した上で、「年齢は数字に過ぎない。とにかくバットを持ってバッターボックスに立ちましょう」と意欲的なチャレンジを促した。
高齢者が敬遠しがちなデジタルについても、新しい時代に慣れるための学び直しが必要であると持論を展開。「あなたの役に立つ部分だけ使えばいいので、ITという道具ともそれなりに仲良くしてください」とユーモラスに呼びかけた。
講演は、城陽市教育委員会が主催する「市民大学」の開講式の一環。約420人が聴講した。