Infoseek 楽天

「児童の命を守るための対策を一切していなかった」プール死亡事故で元園長を書類送検

京都新聞 2024年7月19日 9時11分

 滋賀県長浜市で昨年7月、学童保育のプール活動中に市立小1年の男児=当時(6)=が溺れて死亡した事故で、滋賀県警捜査1課と長浜署は18日、安全管理が不十分だったとして、業務上過失致死の疑いで、学童保育所の元園長の男性(50)=同市=を書類送検した。

 亡くなったのは、同市の男児。県警によると、元園長は「児童の命を守るための対策を一切していなかった。実施していれば事故は起こらなかった」などと容疑を認めているという。県警は起訴を求める「厳重処分」の意見を付けた。

 書類送検容疑は昨年7月26日午後1時ごろ、長浜市の屋外プールで、児童45人が遊泳する際、あらかじめ児童の泳力や身長を確認しなかった上、溺れないよう常に監視するなどの注意義務を怠り、男児を死亡させた疑い。

 プールは水深110~130センチの深い部分と、水深60センチの浅い部分に分かれていた。男児は身長126センチで、泳げないにもかかわらず深い部分にいた。うつぶせの状態で動かなくなっているのを他の児童が発見。救急搬送されたが、病院で死亡が確認された。

 県警の説明では、元園長は安全管理責任者だった。当時、元園長を含めて職員4人で監視する態勢だったが、男児の様子を把握できていなかった。元園長は日頃から安全対策を十分に講じておらず、過失が大きいと判断した。

 事故を受けて、長浜市は有識者による検証委員会を設置。今年3月には、学童保育の活動は水深60センチ以下のプールに限るなどとする再発防止策をまとめた。

 学童保育所を運営する同市の民間事業者は「重大事故によって尊い命を奪ってしまったことを心よりおわびする。二度とこのようなことを起こさないよう再発防止を徹底する」、浅見宣義市長は「引き続き事故の再発防止策を確実に実施する」とそれぞれコメントを出した。

この記事の関連ニュース