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ALS嘱託殺人被告に罰金30万円 共犯者の健康診断書を違法作成

京都新聞 2024年7月25日 19時20分

 ALS(筋萎縮性側索硬化症)患者嘱託殺人事件で有罪判決を受け、医師法違反の罪に問われた医師大久保愉一(よしかず)被告(46)=控訴中=の判決公判が25日、京都地裁であった。同事件の共犯とされる元医師山本直樹被告(47)=控訴中など=の健康診断書を違法に作成したとして、川上宏裁判長は、罰金30万円(求刑罰金50万円)を言い渡した。

 判決によると、大久保被告は山本被告と共謀し、2018年10月11日、山本被告を診察せずに診断書を作成し、メールで送信。山本被告は当時勤務していた山形県内の病院に診断書を提出した。

 弁護側は、大久保被告だけを起訴することは差別的で公訴権の濫用(らんよう)だとしていた。川上裁判長は判決理由で、検察官の裁量権を逸脱しておらず起訴は有効と判断した上で、「診断書の社会的信用性を害した。数年間にわたって同様の犯行を繰り返し、強い非難に値する」とした。

 今年3月の京都地裁判決などによると、両被告は共謀し、19年、ALS患者の中京区の女性に頼まれ薬物を投与して殺害した。共謀して11年に山本被告の父親を殺害したとする殺人罪でも有罪となった。弁護人によると、両事件での大久保被告の控訴審初公判は10月に予定されている。山本被告は嘱託殺人事件で控訴、父親殺害事件で上告している。

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