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「自分は欲望過多」書評家の三宅香帆さんが原点語る 京都新聞社でイベント、9月は澤田瞳子さんと共演

京都新聞 2024年8月28日 7時0分

 京都在住の書評家の三宅香帆さん(30)が、ベストセラーの「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」など自著について読者と語り合うイベントがこのほど、京都市中京区の京都新聞社で開催された。人生を描くために必要な「欲望」を刺激してくれる読書や、日本文学であまり語られてこなかった母娘の関係など、多彩なテーマで和やかに意見が交わされた。

 三宅さんは4月に同書を出版して以降、5月には「娘が母を殺すには?」、6月は「30日de源氏物語」を3カ月立て続けに刊行しており、「いずれも会社をやめて専業になってから執筆したので思い入れがある」と語った。

 3冊は読書と労働をめぐる社会問題、現代の文芸作品の批評、古典紹介とジャンルは異なる一方、個々人の抱く「欲望」が貫くテーマとしてあるように読めるという記者の指摘に対して、「自分は欲望過多な人間。何をしたいか、どこに行きたいか、どう生きるか、といった欲望の原点に読書がある」と明かした。

 参加者との対話もあり、「『娘が母を殺すには?』を読んだお母さんの反応は?」という質問もあった。三宅さんは「母からは『これからはゾンビとして生きていきます』というラインがありました」と苦笑いしながら答えていた。

 同イベントは、京都新聞社が主催。9月29日には三宅さんと作家澤田瞳子さんのトークセッションを開く。

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