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「主婦の私でもできた」京都北部で地域活性化に取り組む女性、50代からの学び

京都新聞 2024年9月3日 7時0分

 福知山公立大(京都府福知山市)が開学した2016年から公共政策などを学び、今年6月に「初級地域公共政策士」の資格認定を受けた。公立大で社会人学生として初のケース。在学中に介護をしていた実父と義父が亡くなる経験を乗り越え、「しんどかったけれど、主婦の私でもできた。後に続く人が増えれば地域活性化はできる」。

 和田知子(わだ・ともこ)さん(59)は、大阪府出身。結婚して25年間、夫との転勤生活が続く。綾部への移住は12年からで「めいにも心配され、最初はやっていけるか自信がなかった」と振り返る。

 「田舎暮らしで友だちがほしい」と京都府主催の「スモールビジネス女性起業塾」に参加。農のある生活と天職を両立する生き方・暮らし方「半農半X」の提唱者、塩見直紀さんと出会い、地域への関心を高めるきっかけになった。

 塩見さんの「1人1研究所」というコンセプトに深く感銘を受けた。自らも実践の場として「中丹素敵(すてき)農女会研究所」を立ち上げた。農業女子や、里山・田舎で人生の価値を見いだして暮らす女性たちを「素敵農女」と定義し、勉強会などを開いていた。

 今は「#農子」としてSNSに情報発信している。中国の春節で見られるお面をかぶり、綾部市で春と秋に開催されるバラまつりなどをはじめ、地域のイベントに登場し、「いろんなことをやらかして笑われています」。

 「都会育ちだったけれど地方がおもしろくなってきた」と、50代から公立大での学びが始まった。資格認定のため、農子の活動を論文にまとめた。

 今春、大阪府内の市役所に会計年度職員として採用され、実父から譲り受けた大阪の実家と綾部の2拠点暮らしに。花と雑貨のデザイナー、FMいかるの番組コメンテーターとしても活動する。「綾部は第二のふるさと。これからも細く永続的にまちを応援したい」と語った。

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