日本酒や本格焼酎などを作る技術「伝統的酒造り」がユネスコの無形文化遺産に登録される見通しで知名度のアップや輸出の拡大が期待されています。そんななか鹿児島が誇る焼酎を桜島のとある施設に貯蔵する取り組みが始まりました。そのわけとは。
(記者)
「桜島の火山活動を観測する坑道。こちらで貯蔵されるのが鹿児島の特産品、焼酎です」
焼酎を貯蔵する実証実験が行われたのは、桜島の有村観測坑道です。
有村観測坑道は桜島のマグマの変化を高い精度で観測し、火口周辺で行う砂防工事の安全性の確保を担っています。
桜島の暮らしを守る坑道で鹿児島の特産品である焼酎を貯蔵することで、砂防事業への理解を深めてもらおうと行われた今回の取り組み。
「伝統的酒造り」として、ユネスコの無形文化遺産への登録も期待される焼酎業界をさらに盛り上げることも期待されています。
県内の13の蔵元が各24本、計312本の焼酎を普段は入ることのできない長さ230メートルの坑道に貯蔵しました。
(天星酒造坪山聖子さん)
「桜島の懐に抱かれて私たちが作った焼酎がどのように変化するかとても楽しみ」
(本坊酒造本坊昌嗣常務取締役)
「熟成の柔らかさとかまろやかさというのはタンクやかめ以上にあるのかなといろいろな期待をもって1年後のまた11月のこの時期だと思うが期待したいなと思っている」
今後3年間1年ごとに新たな焼酎を貯蔵し、桜島の噴火による振動などが、味や香りにどのような変化を与えるか検証するということです。
この記事の動画はこちらから再生できます