北海道大学やかごしま水族館などの共同の研究グループがイルカの赤ちゃんに関する興味深い論文を発表しました。大人のイルカはエサを丸呑みし、味覚は退化しているそうですが、母乳を飲む赤ちゃんは果たして味わっているのでしょうか?
この研究は、北海道大学やかごしま水族館などが共同で行ったものです。水中で生活するクジラやイルカはエサとなる魚介類を丸呑みしていて、味を感じる必要がないことから味覚が退化しています。
一方、赤ちゃんの頃は母乳を飲んで育ちます。人間の赤ちゃんは母乳に甘みや旨味を感じているといいますが、イルカの赤ちゃんは、どうなのでしょうか?研究グループは「第6の味覚」といわれる脂肪味覚に注目しました。
そこで、イルカの赤ちゃんの舌の遺伝子を調べたところ、脂肪の味を感じられる細胞などがあることが分かりました。つまり、赤ちゃんイルカは、お母さんイルカの母乳を味わって飲んでいる可能性がある、ということ。これは、世界で初めての研究成果だといいます。
北海道大学大学院地球環境科学研究院の早川卓志助教は、「イルカが何を食べているかという生態の解明にもつながるきっかけになったらいい」とコメントしています。
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