来年3月で貸切バス事業を廃止するという鹿児島市の方針に市議会がノーを突き付けました。市長が提案した議案が否決されるのは49年ぶりです。否決を受け下鶴市長は「貸切バス事業を存続させる」と述べました。
20日開かれた鹿児島市議会の12月定例会最終本会議。注目は「貸切バスの廃止」議案。市は運転手不足が続く中路線バスの維持を優先するため来年3月で貸切バス事業を廃止する議案を提案しました。しかしこれまでの本会議で「時期尚早」や「一時休止にすべき」などの意見が相次ぎ、常任委員会でも否決。20日も反対討論が行われました。
(仮屋秀一議員)
「廃止しても貸切バスと路線バスの運転手は現在併任で運用しているのでひっ迫状況の解決には当たらない」
(三反園輝男議員)
「運転手の正規採用、免許取得制度導入など運転手確保の状況を検証したうえで貸切バス事業廃止の判断をしても遅くない」
そして、採決の結果は。
(川越議長)
「賛成少数であります。 よって本件は否決されました」
閉会後下鶴市長は「慎重な審議のうえ判断されたと受け止める」と述べました。
(下鶴市長)
「物事を決める権限は議決機関である議会にある。今回議会のご判断に沿ってその中で路線バスの維持に向けて全力を傾けてまいりたい」
議決通り貸切バスを存続させたうえで路線バスの維持に努めたいとしています。鹿児島市議会で市長が提案した議案が否決されたのは49年ぶりです。
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