たんの吸引など日常的に医療的なケアが必要な子どもたちの学校生活を支援し保護者の負担を減らす新たな取り組みです。スクールバスでの通学が難しい医療的ケア児を看護師が同乗する訪問タクシーで学校に送迎するモデル事業が始まりました。
鹿児島市の小学2年生、柿内 瑛斗くん。たんの吸引や人工呼吸器が必要な医療的ケア児で週に3回訪問教育を受けています。月に1回ほど学校で授業や行事に参加していますが、保護者の送迎や付き添いが必要でした。
(母・祥子さん)
「吸引しながら4、50分かけて行って、付き添って、また連れて帰ってきてっていうのをずっとしないといけない」
その負担を減らそうと県が始めたのが、看護師が同乗する福祉タクシーで学校に送迎する事業で、費用は国と県が負担します。今年度はモデル事業として県内2つの特別支援学校に通う8人が利用しています。
看護師が車内で薬の注入やたんの吸引を行いながら特別支援学校に到着しました。授業中瑛斗くんに付き添う看護師は重度心身障害児の家族を支援する鹿児島市の事業を利用して配置。感染症予防のため友達には会えなかったものの先生と歌や絵本を楽しみ、帰りも福祉タクシーで自宅に送り届けられました。
(母・祥子さん)
「学校という場所は子と親が離れてお互い自立して生活する場所で子どもはお友達の声を聞きながらいろいろな体験をすると思うのですごく分離して生活できた一歩は大きい」
県内にはスクールバスが利用できず保護者が送迎している医療的ケア児が訪問教育も含め123人います。県教育委員会は福祉タクシーや看護師の確保など課題はあるものの、将来的にはこの通学支援を県内全域で行いたいとしています。
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