鹿児島市は2025年度、桜島火山防災研究所を設置し大規模な噴火が起きた時の広域避難などを研究します。研究所では当面、交通渋滞が課題となっている市街地側からの避難計画を改善するための研究を行うということです。
鹿児島市は桜島で大規模な噴火が起きた際の広域避難などを研究する「桜島火山防災研究所」を2025度設置します。2024年6月、京都大学の井口正人名誉教授を火山防災専門官に登用し研究計画の作成など準備にあたってきました。
28日開かれた鹿児島市議会の桜島爆発対策特別委員会で研究計画や体制が明らかになりました。鹿児島市は桜島が大規模な噴火をしたときの避難計画をつくっていますが、研究所ではこれまでの市街地側の計画を改善するための研究を行うということです。
(桜島爆発対策特別委員会・中元克明委員)
「市街地側での避難計画は今後改善が必要だということ具体的にどんな改善が必要?」
(鹿児島市危機管理課・脇田浩任課長)
「(避難先の)範囲が広ければ広いほど避難は困難になる。交通渋滞が発生するのが課題。そういった課題を少しでも減らしてより現実的な避難計画を策定できないか今後研究していく」
市街地側の研究を行うことなどから当面の間研究所は、市役所の庁舎内に開設します。
火山の「降灰」については、国にも動きがあります。気象庁は現在、桜島などで降灰の予報を発表していますが、積もる灰の量が1ミリ以上であればすべて「多量」としています。こうした中、気象庁は今月開かれた有識者の検討会で降灰量を「30センチ以上」や「3センチ以上」と区分することや降灰量に応じて警報を導入するなどを今後議論することを確認しました。検討会の委員を務める鹿児島市危機管理課の脇田浩任課長は「大規模噴火の前に予兆や降灰の予測を示してもらいたい」と話します。
(鹿児島市危機管理課・脇田浩任課長)
「桜島は火山との距離が近いので大噴火の前に降灰の予測。降灰量と範囲を示してもらえると避難情報につながると考えている」
桜島では大正噴火級の大規模噴火が起きると、市街地で最大1メートルの灰が積もるケースも予想されています。
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