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ガシャガシャン!→柴犬「おじいさんが…ワンワン」ご近所さんの危険を察知、吠えて知らせた「お手柄ワンちゃん」に称賛の声

まいどなニュース 2024年6月29日 8時35分

近年、「犬の鳴き声がうるさい」といったご近所トラブルが増えているという。しかし、犬が吠えるのには「理由」がある。そのことを実感する出来事がX(旧Twitter)で話題になった。

この日、夜の散歩を終えた、9歳になる黒い柴犬の男の子、まめたろうくん。いつものように「まだ家に入らないです…」とばかりに、リードをつけたまま自宅の玄関前で、行き交う人や猫を観察する「残業」を楽しんでいた。20時半を過ぎた頃、突然、まめたろうくんが激しく吠え出し、いつまでも鳴き止まなかったという。

犬がすごく鳴く→ご近所さんが血だらけ!

「昨日夜、玄関で残業してたイッヌがすごい鳴くから見に行ったら、近所のおじいちゃんが玄関のガラス戸に頭突っ込んで血だらけで倒れてた。救急車呼んでたら他の近所の人も来てくれて、止血したりガラス一緒に片付けてくれた。イッヌ、偉かった」

そんな衝撃の事実を投稿したのは、まめたろうくんの飼い主(@mamemamemakmaki)さん。続けて、怪我をしたご近所さん発見時の状況とその後の様子もXに投稿。

「ちょっと離れたお宅でうちからは見えないんだけど、豆さんがあんまり鳴くからそっちの方に行ってみたらビックリ!私は(家の)奥にいたからわからなかったけど、イッヌには(ご近所の人が)えらいこっちゃってわかったんだね…。残業の成果出て本犬も誇らし気だったよ」

「おじいちゃん、ガラスで頭を切っただけで大丈夫だったみたいです。やっぱりイッヌにはわかるんですね!」

すると、お手柄だったまめたろうくんを絶賛するコメントが殺到した。

ご近所さんを守るワン!

「お手柄のワンちゃん」
「自宅警備だけでなく、ご近所もしっかり見守るなんて」
「一部始終を見てたんやろうね。 『えらいこっちゃ』て思ったけど救急車呼べないし…。鳴いてくれたおかげで早期発見につながったんやで!お手柄やね」
「朝までそのままだったら大変なことになってたかもしれない。飼い主さんが駆けつけたのも素晴らしいです」
「ヒーローだワン」

多くの称賛の声に対して、「お散歩の後、玄関で数時間自主的に見張りをしてくれるんですが、それを我が家では残業と呼んでます」「毎晩の残業の成果が発揮できて本犬も誇らしげでした」「ご近所の皆さんにいつも声かけてもらったりかわいがってもらってるからだと思います」と、返信していた飼い主さん。まめたろうくんはごほうびとして、いつもより大きい「犬用のおやつ」をもらったそうだ。

聴力は人間の4倍、嗅覚は人間の数千から1億倍だと言われる「犬」。そんな優れた能力を発揮してご近所さんの危機を知らせた柴犬、まめたろうくんについて飼い主さんに話を聞いた。

「助けて…」

ーーどんなタイミングでまめたろうくんの様子が普段と違うと気づかれたのですか?

「残業中は猫や見かけない人が通ると吠えるのですが、この日はあまりにも激しく吠え続けたため、ご近所迷惑になるので走って玄関に行きました。普段なら、私が家の周りを確認すれば鳴き止むのですが、この日は興奮して鳴き止まず、家の前が道路なのですが、飛び跳ねてそちらに行こうとしました。すると、まめたろうが吠えている方向からガシャガシャン!と、ガラスか陶器が割れるような音がしたのですが、例のおじいちゃんの家は一軒奥に入っており、うちからは何も見えず…。

しかしどうもおじいちゃんの家の方を見て吠えているので、飼い主が1人でそ~っと見に行ったところ、おじいちゃんちの玄関のガラスの引き戸が割れていて、ガラスの破片にまみれて血だらけのおじいちゃんが尻もちをついて壁にもたれていました…。おじいちゃんはおばあちゃんと2人暮らしなのですが、おばあちゃんは目が不自由で、小さな声で『助けて下さい…』と言っていました。『救急車を呼びますね』と告げて携帯を取りに家に戻り、電話をしながらおじいちゃんの元に急ぐと、隣家の方も駆けつけてくれました」

飼い主も初めて見た「愛犬の賢さ」

ーーまめたろうくんは「おじいちゃん」と仲良しなのですか?

「特に仲良しではありませんが、散歩の際、なかなか玄関から歩き出さないまめたろうを見て、ゴミ出しなどで外に出たおじいちゃんがよく、『大変だね』とニコニコしながら声をかけてくれます。なので、まめたろうはおじいちゃんをご近所の人だと認識しているようで、普段は吠えません」

ーーやはり、おじいちゃんの異変を察した、ということでしょうか。

「今回、救急車の到着からおじいちゃんが搬送されるまでに30分以上かかったと思うのですが、いつもなら、知らない人や知らない車に吠えるまめたろうが、救急車にも救急隊員の方々に対しても一切吠えず騒がず、玄関でおとなしく伏せて待っていました。助けに来てくれた人たちだ!とわかったのでしょうか…。飼い主も初めて見た賢い一面でした」

犬が「鳴く」のは何かを伝えようとしてるから

ーー犬の鳴き声はトラブルになることも多いですが、周囲の異変を知らせている場合もあるんですね。

「実は以前、飼い主が倒れたら助けてくれるかを知りたくて、2度ほど倒れた演技をしたことがあります(笑)。何の反応もなかったので、うちの犬は無反応タイプだと思っていたのですが、本当に飼い主が倒れたら助けてくれるかもしれませんね。

まめたろうは飼い主の言うことをほぼ理解してくれているように感じます。でも私の方は、犬が伝えようとしていることの一体どれくらいを理解できてるのかなあ、と思います。自分の都合の良いように受け取ってるかもしれません…。犬が人に何かを伝える時の手段は、『吠える』か『噛む』かしかないと聞きます。

まめたろうもなかなか寝てくれず、キューキュー鳴き続ける夜があり、どうして欲しいのかわからず、泣きたくなることもあります…。老犬になればもっとそんな場面が増えると思います。人間に一生懸命伝えようとしてくれているということを忘れずに、これからも犬と向き合っていきたいと思います」

◇ ◇

犬が人類と暮らし始めた今から1万1千年以上前。寒い時は寄り添って温め合い、狩猟の相棒として活躍し、番犬として危険を知らせた犬たちのおかげで、人間は生き延びられたという説がある。

住宅密集地では、「犬の鳴き声」はトラブルのもとになることも多い。だが、今回のまめたろうくんのように、「異変」を人間に伝えようとしている場合があることを忘れないでいたいものだ。

(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・はやかわ かな)

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