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「脚が悪いだけ」ブリーダーの説明は事実と大違い 小型犬は重度の水頭症 「長く穏やかな犬生を」保護団体メンバーは誓った

まいどなニュース 2024年8月7日 17時30分

静岡県を拠点に、行き場を失ったワンコの命を救い、幸せへとつなぐ活動を続けるアニマルフォスターペアレンツ(以下、アニマルフォスター)。2024年、こんな話を持ちかけられました。

「とある繁殖場に先天的に脚が不自由な生後10カ月ほどのオスの小型犬がいる。ブリーダーは手放す意向があるようだが、引き取ってもらえないか」

アニマルフォスターでは小型犬の保護犬のキャパシティがいっぱい。保護の決意ができぬままでした。それから数カ月、少しだけ空きができたため、この子犬を引き取ることにしました。

「この子は脚が悪いだけ。後は問題ない」とブリーダー

保護時、ブリーダーは「この子は脚が悪いだけ。何も問題ない」と言いました。販売用の個体としてしか見ていなかったのか、名前はありませんでした。

ワンコは、ブリーダーの横で哀しそうな表情を浮かべ一点を見つめていました。アニマルフォスターのメンバーは、「生」が「芽吹く」ことを願い、「芽生(めい)」と名付け、そのまま連れて帰りました。

死に至ることもある重病を患っていた

すぐに芽生は動物病院で検診を受けることとなりました。

先天性の股関節形成不全が認められましたが、持病は他にもありました。頭蓋骨の中の脳脊髄液が過剰に溜まり、脳を圧迫する水頭症(すいとうしょう)を患っていました。

メンバーは過去に複数の水頭症のワンコを見てきました。突如けいれん発作が起こり続きます。けいれんがおさまり長生きしたワンコもいれば、けいれんが続き苦しみながら亡くなったワンコもいました。

このブリーダーが芽生の水頭症をあらかじめ知っていたのでしょうか。ともあれ大切な芽生の命。献身的に世話を続けることにしました。

「1日も長く、苦しまず穏やかな日々を送ってほしい」

現在の芽生は日々明るい表情を浮かべエサもいっぱい食べながら生活をしています。今のところ生活に支障をきたすことはありませんが、メンバーがずっと気になっているのが検診で聞いた獣医師の言葉です。

「もし症状が出てしまった場合、薬の服用となります。しかし、完治させる方法はありません。そのため、寿命も短くなると考えておいてください」

このような状況からアニマルフォスターでは、芽生の里親募集は今のところ考えていません。おそらくは芽生が最期を迎えるまで世話は続くでしょう。

芽生の犬生が1日も長く続き、そして、穏やかで幸せな日々であることを祈るばかりです。

アニマルフォスターペアレンツ
https://anfospe.com/

(まいどなニュース特約・松田 義人)

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