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「体内に”鉛筆の芯”が封印されし仲間おる?」名乗り上げる大人が続出 芯の成分は?刺さった場合は?

まいどなニュース 2024年8月6日 7時25分

「ワイと同じように体内に鉛筆の芯が封印されている仲間おる?
ちなみに場所は左の薬指
封印は小学生2年生の時に自ら封印した」

北海道在住で二人のお子さんを育てている、でら(十勝で子育てどうでしょう)さん(@aerolitkurofune)がXに投稿した質問が大きな話題に。この投稿が862万件表示され、5400件を越える引用投稿が寄せられています。

でらさんと、はたして人体に影響はあるのか、日本創傷外科学会の対処法などを紹介します。

「元おてんば女子ですがおでこにあります」
「自分も小指に鉛筆の芯ある しかも青鉛筆」
「膝に封印されています!妹に突き刺されました」
「芯は取ったのですがまだ粉が残っています」
「大人しい女の子でしたが右手手のひらに封印されています。鉛筆持ったままこけたのよ」
「学校の体育の時間に鉛筆もって飛び跳ねて右太ももに刺さった鉛筆の芯…30年経った今も封印されています」

自分で誤って刺してしまった体験談や、兄弟姉妹によるもの、鉛筆の芯だけでなくシャーペンの芯の例なども。封印されし箇所も手のひら、指、太もも、腕など様々です。

この反響に「おー!すげー反響!まてまて!封印されしものだけで町作れるレベルじゃん(笑)」とでらさんも驚きの様子。そして、「まさかこんなに反響あるとは…ごめん嘘ついた…左の薬指ではなく、よく見たら右の中指やった…」と封印されし場所を改めて紹介しています。そんなでらさんにお話を聞きました。

こんなに仲間がいるとは!

――今回どうしてこの投稿を?

何か新しい育児あるあるを発掘したいと思ったのがきっかけでした。そんな時に、ふと「小さい頃に刺した鉛筆が体内に埋まっているのってあるあるかも!」と天啓を得ました(笑)。実際あるあるじゃなくても、僅かながら仲間がいれば嬉しいなと思ってましたが、まさかこんなに仲間がいるとは!

――たくさんの「封印されし仲間」が…。

印象的なのは、若い人からお年寄りの方まで、また男女の隔てもなく仲間がいたことですね。理由や原因、場所など様々な封印術式が見れて面白かったです。中には半世紀以上封印されているという方もいて、この封印術の歴史の深さを痛感しました(笑)。

――ご自身の右中指の記憶は?

本当に記憶がおぼろげで。確か小学生低学年の時に、家で一人机に向かっている時に指の間をカンカンしていて、何故か利き腕とは逆でやってみようと思って。左手で右手の指の間をカンカンしてたら、案の定慣れていないから中指に刺さり、芯の先が折れて封印されてしまいました。

――想像するだけで痛そうです。

その後は、血は出たと思いますが、痛みもそれほどなくて。最初は指でつまんで取ろうと思いましたが取れず、ピンセットで取るという発想もなく、「もはや救出不可能だ」と判断して、親に言うと怒られるという気持ちもあって放置していたらそのまま封印されました。今思うと「なんでそんな馬鹿なことを」と思いますが、クソガキ男子なんてそんなもんですよね。 

――身に覚えのある大人がたくさんいらっしゃるかと。指に痛みや違和感は?

不思議なもので、刺した時にもちろん痛みはありましたが、その後は何事もなく過ごしていました。そして気づいたら30年近く経ってました。

――幼少期はどういったお子さんで?

今思えば違法ですが、自分が住んでいない団地の広場の一角に友達と一緒にゴミを集めて秘密基地を作ったりしていました。木登りは日常茶飯事ですし、公園のブランコで靴飛ばしして、道路まで飛ばしたりして近隣の皆様に迷惑かけてましたね。今、私が絶対子どもにして欲しくないクソガキ行為の1位は「ランドセルに座ってランドセルをボロボロにする」です。親の心子知らずでしたね。

――やんちゃっぷりが伝わってきます。お子さんたちに鉛筆やシャーペンの使い方などは?

まだ鉛筆やシャーペンを日常で使うような年齢では無いのですが、小学校に入ったら鉛筆は立派な刃物だということをきちんと伝えて、「自分やお友達を傷つけることもある」と伝えたいですね。しかも、普通の傷と違って一生ものになりますから。「もし芯が封印されそうになったら、解呪してあげるから早めに言ってね」とも伝えたいです(笑)。

鉛筆は“鉛(なまり)”って漢字はあるけれど

体内に封印されし「鉛筆の芯」の成分はいったいなんなのでしょうか、漢字に鉛(なまり)があるということは、鉛中毒もあるので成分が気になります。

三菱鉛筆株式会社(東京都品川区)によると、芯は黒鉛と粘土を焼き固めて作られており、粘土が多くなるにつれて芯は硬くなるそう。黒鉛とは炭素からなる鉱物で、黒鉛と粘土の混ぜる比率で、HやBなどの硬度に分かれているとのことです。

また、現在の鉛筆より「前のもの」は、鉛の棒「尖筆(せんぴつ)」で、この鉛の棒は現在の鉛筆のように黒い跡は残せず、文字を真っ直ぐ書くために、あらかじめ薄く線を引く目的で用いられていたそう。この鉛の棒を“lead pencil”(鉛の筆)と呼ぶようになり、呼び方と現在の鉛筆が一緒に輸入され「鉛筆」と訳されたのではないかと言われているそうです。

もしも芯が刺さってしまった場合は?

では、万が一鉛筆の芯が刺さってしまった場合はどのようにすれば良いのでしょうか?

するどい物が刺さってできるキズである「刺し傷・異物」について、日本創傷外科学会(東京都新宿区)のホームページでは、その具体例や対処法が紹介されています。

「鉛筆が皮膚に刺さって、折れると芯が残ってホクロのような黒い斑点が残ります。木の枝や竹なども折れやすいので異物として残りやすいものです。異物を放置すると感染を起こして、赤くはれて、膿が出てくることがあります。土で汚れたものやさびた金属が刺さった場合も感染を起こしやすいので注意してください」とのこと。

応急処置としては、「浅い刺し傷では刺さったものを抜いて、傷口を水道水で洗うだけで問題がありません。傷口からキズの中に水を無理に入れると、感染がひどくなることがあるので、傷口だけを洗ってください。深い刺し傷では、刺さったものは自分で抜かずに直ちに形成外科を受診してください。血管を傷つけていても、刺さったもので圧迫されていると、刺さったものを抜いた時に多量に出血することがあります。刺さったものが抜けたとしても、深いと思った場合は、できるだけ早急に形成外科を受診することをお勧めします」と記されています。

また、「鉛筆の芯がある大きさの塊として埋入されている場合は、ホームページに記載の通り、摘出するのが適切です。しかし色のみが問題、すなわち鉛筆の芯の粉による『入れ墨』となっている場合は、レーザー治療が大変有効です」と追加の情報も。

「ケガによって皮膚内に細かい異物が埋入して色を残してしまったものを『外傷性刺青(入れ墨)』といいます。鉛筆の芯による外傷性刺青はレーザーによく反応し、レーザー光のエネルギーで破壊されます。炭素が成分ですので、燃えて消えるという機序もあり、通常は1回の照射で消失します。外傷性刺青のレーザー治療は保険診療の対象となっています。いずれにしても形成外科を受診し、相談していただくことには変わりありません」と教えてくれました。

◇      ◇

「楽しい育児仲間が欲しいので、お子様を育てている方、育てていた方、これから産まれる予定の方に是非フォローしていただけたらと思っています。この記事を見て興味を持った方はぜひ」とでらさん。

今回の投稿への共感度が高く、様々なエピソードが寄せられていたことも印象的です。多くの方が、忘れてしまった痛みとともに「封印された」経験があることが伝わってきました。

とはいえ、やはり鉛筆の芯が刺さった瞬間の痛みは強く、傷の経過をしっかりと見たほうが良いことも。学童期での経験が最も多かったようですが、お子さんたちがもし鉛筆の芯でケガをした場合は、しっかり応急処置をし、場合によっては医療機関を受診しましょう。

<引用参照>
三菱鉛筆WEB博物館\知る識るペンシル/えんぴつ工場見学 
三菱鉛筆お役立ち情報<鉛筆・色鉛筆編> 
日本創傷外科学会ホームページ「刺し傷・異物」 

(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・太田 真弓)

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