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再婚夫の連れ子とケンカ…無視されたまま、娘は高校卒業して独立 数カ月後に届いたメッセージに号泣「血のつながりは関係ない」「素敵な娘さん」

まいどなニュース 2024年7月24日 7時20分

親子ゲンカの後、口もきかないまま遠くの街に巣立った血のつながりのない娘。「号泣した」という母のエピソードがThreadsに投稿され、感動の声が寄せられています。険悪だったという2人の関係はどのように変化したのか話を聞きました。

投稿主のぽに豆さん(@ponimame312)は6年前、小学6年生の娘がいる男性と再婚。実母からネグレクト状態だった娘を「絶対幸せにしよう」と愛情をもって接し、良い関係が築けていた時期もありましたが、成長とともにケンカが増えていきます。

思いやりのない行動や保身のためのウソを厳しく叱ると、部屋に引きこもり無視をする娘。夫より甘えるのにも関わらず、叱られたら無視するのはぽに豆さんだけという不可解な態度にも、「可愛がるのは簡単なのに、叱り方が分からない」と悩んでいました。

1カ月ほど口をきかず、夫に叱られた娘が謝罪して仲直りを繰り返す日々。そして、高校卒業間際に生活態度について叱ると、また無視が…。実家から遠い都会の会社に内定が決まっていた娘は、3カ月口をきかないまま引っ越してしまいました。

しかし、2カ月後に母の日にお花のギフトとともにメッセージが。「仕事を始めて、いつもママに言われてたことを他人様から言われるようになって。社会に出た時に周りから言われないようにと叱ってくれてたママの気持ちが分かった。無視して出て行ってごめんなさい」。

多くの人が心揺さぶられたぽに豆さんと娘のエピソード。再婚時の心情や、「母の日」を経た2人の関係についてたずねました。

「かわいらしく、年齢の割にしっかりしていた」

ぽに豆さんは最初に結婚した夫との離婚後、小学校の同級生だった現在の夫と再会。夫も同じく離婚しており、当時、娘は実母のもとで生活していて、面会の際に一緒に会っていたそうです。

「最初はよそ様のお子さんって感覚。連れ子になるというイメージもありませんでしたし、出産経験がないので他人事だと感じていました」

出会ったばかりの頃の娘の印象について、ぽに豆さんは「かわいらしく、年齢の割にしっかりしていた」と語ります。小学生だったのに受け答えがハキハキしていたのが印象的だったとのこと。

その後、ぽに豆さんは夫と再婚し、夫は親権を得て、親子としての生活が始まります。すると、娘の印象が変化していきました。

「最初の頃はおりこうさんのところを見せようとしていたんだと思います。一緒に暮らしていたら、ものすごく甘えん坊なところや、負けず嫌いなところが出てきました」

叱る時はお説教が長かったり、言葉が多かったりしたと振り返るぽに豆さん。「無視してくるのは口では勝てないと思ったり、反論するのが面倒くさかったりしたからなんでしょうね」。無視する娘に苛立ち、またケンカになるという悪循環だったようです。

卒業間際のケンカでは、娘はこれまでにもらったプレゼントを全部ゴミ箱に入れてしまうほどの荒れようで、ぽに豆さんも「もう、帰ってこなくていい」と激怒。

夫は「君の言ってることは全て正論。でもあの子がそれを理解できるのは30歳40歳くらいかもしれない。仲良くはして欲しいけど無理はしなくて良いよ」と娘を見守るように言い、ぽに豆さんも自分自身を納得させて、半ばあきらめの境地で過ごしていたと言います。

「離れて暮らせど、距離が近くなった感覚」

無視されたまま2カ月が経ち母の日に。販売業で働くぽに豆さんに、先述のメッセージがLINEで届きました。上司との連絡のため、ぽに豆さんは仕事中もスマホを持ち歩き、メッセージに気がついたのは他のスタッフもいる店内のことでした。

「投稿した通りの文と『お花を送ったんで』『大好きだよ』って書いてあって。スタッフの子たちに『ちょっと電話する』と店の裏に引っ込んで。全部読んだら仕事にならないので、サッと読んで閉じました」

帰宅後、届いたお花を見て、ぽに豆さんは感動して涙。心から「良かった」とうれし泣きをするなんて貴重な体験だと思い、娘のLINEに「ありがとう」と返信したところ、すぐに電話がかかってきてきました。「娘はわんわん泣きながら『ごめんなさい、ごめんなさい』って。かわいかったです」

その日を境にLINEや電話のやり取りが活発になり、娘とはいろんなことを話せるように。「今までのは何だったんだろう、心のとげがぼろぼろ落ちる感じ。離れて暮らしてるんですけど、距離が近くなったような感覚です」。

娘から失敗した話などを聞いても「この子は大丈夫」と受け止められる余裕が出てきたそうです。

「普通の親がどんなものなのかわからなかった」

さて、娘との間にケンカが絶えなかったことには、ぽに豆さん側の事情もあったようです。「私が親とうまくいってないんです。今でいうところのモラハラ的な態度を取られていて。毒親ではなく個性が合わなかったとは思ってるんですが…」

親に認めてほしいあまり、親の望む仕事に就き、親の喜ぶ結婚をしましたが、離婚してしまいます。「家の恥だから帰ってくるな」と絶縁状態に。ぽに豆さんは家族を作る自信を失ってしまいました。

「まさかもう1回結婚して、子どもに恵まれるとは。覚悟して親になったつもりだったけど、普通の親がどんなものなのかわからなかったんです」

ネグレクトされていた娘に健康や精神面でもきっと悪影響があったのはわかるものの、どう対応すればいいのか。子育ての正解とはいったいどんなものなのか。「彼女が苦労しないように後悔しないように言ってるお説教とかも、彼女にとってはすごくストレスになっていたのだと思います」

子育ての悩みを誰にも相談できず、一緒にいるのが苦しくなり、娘が出て行った時には「一生この子に愛してもらえない」とまで思い詰めるほどに。だからこそ、母の日のプレゼントとメッセージには喜びで号泣してしまったのです。

「彼女が早めに手を差し伸べてくれたことが、自分の方が親なんだけど助けてもらったって思えて、家族ってものがよくわからない私にとって救いでした」

◇ ◇

今回のエピソードには「今の母は後妻さんです。昔から、実の母より大好きで、でも、厳しくて、大人になってから、実の子供ではないのに、厳しくするのは色々葛藤があって大変だっただろうなぁ、なんて感心してます」「私が高校生の頃、母親が再婚して、義父が出来ました。義父もう亡くなりましたが、私の子供たちを本当の孫のように可愛がってくれました。血のつながりは関係ないんだなと思っています」など、血縁のない親から育てられた子ども時代を振り返るコメントが多数ありました。

また、「私にも産んでない娘がいます。気持ちが分かりすぎて…号泣」「わたしも只今娘と戦争中でお気持ちお察しします」といった親の立場からの共感、「長女が今の夫にとって養女なので同じような気持ちでいるみたいで…いつか理解出来る日が来ることを願っています」と実親の立場から継親を案じるコメントもありました。

ぽに豆さんは娘との歩みを振り返り、「人間同士は難しいし、難しいから面白みがあるんですね。いくつになっても学ぶことっていっぱいあるし、人生って何が起こるかわからない」とぽに豆さんは語ります。投稿に共感したり勇気づけられる人がいればうれしいとのことでした。

(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・谷町 邦子)

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