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浴衣にサンダルやスニーカーはNG?→「断然アリ」「時代やニーズに合わせていい」 メーカーが提案する例も

まいどなニュース 2024年7月27日 10時30分

  夏祭りや花火大会など、浴衣姿でお出かけする人が増える季節です。最近よく見かけるのが、下駄の代わりに人気ブランドのスポーツサンダルやスニーカーを合わせるスタイル。一部には「えっ、浴衣にスニーカー!?」「最近の子は浴衣にサンダルなんだ」と驚く人もいるようですが、普段から着物に親しむ人からは「浴衣にスニーカーやサンダルは断然アリ」という声が聞かれます。

「浴衣は普段着。自由に着こなしていい」

 Xのアカウント名「西陣織の小さな雑貨ブランドgonomi」さん(@gonominishijin)もそんな一人。和装にあこがれ大阪から京都に移住。オンライン着物店の店長を経て、現在は西陣織の雑貨ブランド「gonomi」を運営するという経歴の持ち主です。

 gonomiさんが暮らす京都は、レンタル着物で街歩きを楽しむ観光客が多い土地柄。しかし「足元が草履や下駄ではなく、スニーカーなのが気になる」という声を聞くことが多く、自身のXに次のように投稿しました。

 「浴衣にスニーカーなんて。という人が増える季節。私は断然アリ派。慣れない下駄で、足が痛くなって歩けなくなるよりも、サクサク歩けるならスニーカーでもサンダルでも良い。足の皮、摩擦に弱いですしね。歩くたびにヒリヒリしちゃう。下駄じゃなくても良いのよ、だって、浴衣ですもんお気軽に」(投稿から引用)

 この投稿に対し、SNSユーザーからは「浴衣にスニーカーやスポーツサンダル、賛成です」「痛くて歩けなくなるよりスニーカーやサンダルでいいんだよ」「歩けなくなるのは本末転倒」「時代とニーズに合わせたらいいと思う」などの声が寄せられています。

 「洋装も和装もTPOはありますが、浴衣は普段着ですので、自由に着こなされたら良いと思います」というgonomiさん。

 「最近の若い子は、足のサイズも大きかったり、下駄になじみがない子も多いと思います。気軽に浴衣を楽しめる夏のイベントですので、歩きやすさを大切にして、足を痛めずにお祭りや花火大会を楽しんで欲しいです」(gonomiさん)

浴衣+サンダル、センスよく着こなす人に聞いた

 「草履もたくさんあるけど、夏場だとスポサンだったり、仕事帰りに着物や浴衣着たりするとサンダル履いていたりするよ」と投稿したのは、普段からアンティーク着物を愛用する和輝さん(@kazuki1006)。着物や浴衣をセンスよく着こなすファッションスナップはSNS上でもひときわ目を引きます。

 和輝さんに浴衣にサンダルを合わせるときのコツを聞きました。

 「浴衣の柄の雰囲気に合わせることです。私は比較的、浴衣と同色系を選びますが、難しいことは考えず、お洋服の時と同じ感覚で色は選んでいます。例えば、しっとりとした大人っぽい雰囲気の黒い夏着物には細めのサンダルを。色数が多くカジュアルな浴衣にはスポサンを選びます」(和輝さん)

 素材選びで意識していることは。

 「夏ですし、サンダルが重く見えないように、装飾少なめでスッキリしたものを合わせることが多いです。また、金具で浴衣の裾が傷ついてしまうことがあるので、そうしたサンダルのときは着付ける際に、裾を短めにし、腰下が長く見えるように帯位置を高くしております」(和輝さん)

衣料品大手「靴擦れを心配せず楽しんで欲しい」

 歩きやすさを優先し、サンダルとの組み合わせを提案するメーカーもありました。

 毎年、数多くの浴衣や関連商品を発売する衣料品大手「ハニーズホールディングス」(本社、福島県いわき市)。同社では通常の浴衣用下駄のほか、花柄レースとちりめん素材を使用した「下駄サンダル」(3色展開、税込み各2280円)を販売しており、「下駄サンダルの方が人気で売れ行きも好調です」(同社担当者)。

 下駄サンダルを商品化した理由は、「お祭りなどは歩く時間がある程度あり、下駄だと履き慣れずに靴擦れすることもあります。そういった心配をせず、気軽に浴衣を着用して季節のイベントを楽しんで欲しいという思いがあり企画しました」(同社担当者)。

 歩きやすさを考えて鼻緒がなく、かかと部分は高くなりすぎないようにし、ゴム底を使用し滑りにくくなっているといいます。

 「鼻緒がないので指の間が痛くなりにくいというコンセプトに加え、 下駄のようなヒールがなく、足裏が触れる部分にはクッション素材を使用し、歩きやすさにも注目したサンダルです。和のテイストに思い切り寄せたデザインではないので、洋服とのコーディネートもして普段から楽しめます」(同社担当者)

 購入者からは「下駄に比べ、履きやすさに満足。浴衣に合わせても、デザインがかわいい」「長時間歩いても痛くならない」「普段使いとしても使えそう」などの感想が寄せられているそうで、「心配せずに履くことができるといったお声が多数です」(同社担当者)。

2008年にはすでに「浴衣にサンダルってあり?」

 SNSの投稿をさかのぼると、ツイッター(現X)の日本語版サービスが始まった2008年にはすでに「浴衣にサンダルってありかな?」「浴衣に洋物サンダルとかないわー」「浴衣にビーサン、何とかならないのか」「説教したい」などの投稿がありました。

 今年に入ると、「浴衣の子がサンダル履いててびっくり」「最近の子は浴衣にサンダルなんだ」といった意見はあるものの、「花火大会の浴衣の子、サンダル、ビーサン、スニーカーといろいろ」「浴衣にサンダル、かわいいし楽です」「最近、浴衣にサンダルが流行ってる?」「浴衣にサンダルの人、増えたよね」といった声が目立っています。

(まいどなニュース・金井 かおる)

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