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犬や猫、インコの落とし物も…警察に届けられた落とし物が過去最多、現金も後を絶たず

まいどなニュース 2024年7月29日 8時0分

 昨年、全国の警察に届けられた落とし物は約2978万点と過去最多だったことが、警察庁の調査で分かった。滋賀県の警察署に届けられたのは、16万8千点。落とし物の数は新型コロナウイルスの5類移行に伴い、コロナ禍前の水準に戻りつつある。新年度が始まり、慌ただしい日々が続いている人も多いはず。大事なものを落としていないか、いま一度確認してみませんか。

 財布、スマートフォン、傘、ジャンパー…。滋賀県警東近江署(東近江市)の倉庫には、落とし物が所狭しと並んでいる。「今月は少し多い方ですね」と同署の相原豊会計課長。この日は、3カ月の保管期間を過ぎた落とし物714点が、県の所有となり、古物業者に売却された。「落とし物はイベントや天候など、人出によって左右される。地域に暮らす外国人からの問い合わせも多いです」

 県内の警察署に届いた落とし物の数は、コロナ禍による外出自粛の影響で2021年は約15万4千点に減少したものの、現在は増加傾向にあり、コロナ前だった19年の約17万8千点に徐々に近づいているという。

 財布や衣類が目立つ中、最近増えているのはエコバッグ。レジ袋有料化の影響で持ち歩く人が増えたためだろうか。ワイヤレスイヤホンや加熱式たばこ、モバイルバッテリーなどが増える背景には、近年の電化製品の小型化があるようだ。

 現金の落とし物も後を絶たない。一昨年には大津市のごみ処理施設で、大型ごみの中から約500万円分の紙幣が見つかり話題となった。昨年は県内で過去最多の1億9800万円が警察署に届き、このうち約7割にあたる1億4400万円が持ち主へ返された。

 保管期間の3カ月を過ぎても持ち主が現れず、拾った人のものとなったのは約2千万円。残りの約3千万円は県の歳入になったという。クレジットカードや電子マネーの決済が浸透しつつあるとはいえ、現金主義はやはり根強いようだ。

 動物は156点で、犬と猫が多くを占めるが、中にはウコッケイやインコも。署内で世話をすることが難しいため、保護施設に飼育を依頼し、保管期間中に飼い主が現れない場合は施設に譲渡する。ただ、動物の状態によって譲渡が難しいなどの理由で警察官が自宅で飼ったケースもあったといい、飼い主にペットの適切な管理を求めている。

 落とし物の増加は、各警察署の窓口や保管などの負担が増えることとなり、ほかの業務へのしわ寄せになりかねない。警察庁では全国の落とし物の管理システム統合を進めており、昨年までに滋賀県警と京都府警を含む20都道府県でオンライン検索が可能となった。旅行先など自治体をまたいだ落とし物の返還率が上がることが期待される。

 県警と府警では、落とし物をした際に届け出る遺失物届もオンラインで提出できる。県警は「早めの届け出で、落とし物の早期発見と返却につながる」と呼びかける。

 遺失物法では保管期間は3カ月間。個人情報がある物を除き、持ち主が現れなければ拾った人の物になる。拾い主が権利を放棄するか、保管期間が過ぎてから2カ月以内に拾い主が受け取らない場合、所有権は都道府県に帰属する。お心当たりの方はご注意を。

(まいどなニュース/京都新聞)

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