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「お前は馬鹿か」「女性従業員に性的な質問」…電話によるカスハラ発生が多い業種 2位は「医療、福祉」

まいどなニュース 2024年8月2日 9時0分

顧客等からの著しい迷惑行為、いわゆるカスタマーハラスメント(以下、カスハラ)が社会問題となっています。トビラシステムズ株式会社(名古屋市中区)が実施した「電話によるカスタマーハラスメントの経験」に関する実態調査によると、電話によるカスハラ発生が多い業種は「サービス業」が最多となりました。また、電話によるカスハラで多い被害は「暴言」が6割超となりました。

調査は、過去3年以内に電話によるカスタマーハラスメントを受けたことがある全国の25~60歳の男女729人を対象として、2024年7月にインターネットで実施されました。

はじめに、「電話によるカスハラ発生が多い業種」を調べたところ、1位「その他サービス業」(17.4%)、2位「医療、福祉」(14.7%)、3位「卸売業、小売業」(14.1%)という結果になり、接客など、主に個人顧客とのやり取りが多いと考えられる業種で、電話によるカスハラを受けた人が目立ちました。

また、「電話によるカスハラの被害内容」は、「暴言」(65.3%)が最多となったほか、「長時間にわたる電話」(55.0%)、「繰り返しにわたる電話」(39.6%)といった被害も上位に挙がりました。

具体的な被害例として、「『お前は馬鹿か』など自身の存在を否定されるような言葉を毎日受けた」(30代女性)、「4時間にわたって叱責された」(40代女性)、「繰り返し苦情をいわれる」(50代男性)、「女性従業員に性的な質問をしてくる。男性従業員に代わった途端、電話を切る」(30代女性)などの声が寄せられており、従業員を守るために、正当なクレームとは異なることを証明し、適切に対応した記録を取る重要性がうかがえました。

続けて、「電話によるカスハラを受けたことで心身への影響はありましたか」と尋ねたところ、「怒りや不満、不安を感じた」(66.1%)、「仕事に対する意欲が減退した」(49.8%)、「仕事に恐怖を感じるようになった」(33.9%)といった回答が上位に挙がりました。

そのほか、「異動や退職をしたいと感じた」(17.6%)、「会社を休むことが増えた」(9.5%)、「休職した」(6.2%)、「退職した」(5.2%)など、実際に業務や就業に影響を受けた回答も一定数あり、カスハラ被害による従業員の意欲減退や健康被害を起因とする、企業からの人材流出などが懸念される結果となりました。

次に、「勤務先でのハラスメント対策」について尋ねたところ、全体の62.6%が「ハラスメント対策が導入されていなかった」と回答。

また、「勤務先でハラスメント対策が導入されていなかった理由」としては、「対応できる部署がなかったから」(52.2%)、「企業が対策の必要性を感じていなかったから」(39.0%)、「人手が足りないから」(29.8%)が上位となりました。

勤務先で「ハラスメント対策が行われていなかった」と回答した456人に「ハラスメント対策の提案」について尋ねたところ、「提案したことはない」は67.3%、「提案したが改善されなかった」が25.7%となり、「提案し改善された」はわずか7.0%にとどまりました。

そこで、勤務先で「電話によるカスハラ対策が導入されていた」と回答した273人に、「実際に役立ったと考えるカスハラ対策」を教えてもらったところ、「通話前の録音告知メッセージ」(40.7%)、「自動通話録音」(37.0%)、「通話の自動文字起こし」(30.0%)などが上位に挙げられ、これらの対策が顧客からの悪質なクレーム等の抑止や通話内容の振り返り、言った・言わないのトラブル防止、カスハラの被害状況の報告などに役立つことがうかがえる結果となりました。

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