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無資格・未経験から医療現場に挑戦 ナースエイド(看護助手)になるには

まいどなニュース 2024年8月8日 20時30分

ナースエイド(看護助手)とは?

ナースエイド(看護助手)とは、看護師の指示のもとで、専門的な判断を必要としない範囲での業務を行い、医療チームの一員として患者の快適な療養生活を支えるお仕事です。具体的には、検査やリハビリへの車椅子等を使った送迎、食事の配膳下膳、入浴や更衣の支援、シーツ交換や病室の環境整備などを行っています。

看護師が専門性の高い看護師業務に専念できるよう手助けをする、『看護の手を助ける=看護助手』として、人材不足が叫ばれる医療現場において重要な役割を担っています。なお、特に資格を有している必要はなく、無資格・未経験からでも挑戦できる職種になります。

ナースエイド(看護助手)の具体的な仕事内容

ナースエイド(看護助手)の具体的な仕事内容には以下のようなものがあります。

▽1.患者の移動・移送
・車いすやストレッチャーを使った患者の移動支援
・検査室や手術室への患者搬送

▽2.環境整備
・病室やナースステーション内の清掃と整頓、備品補充
・リネン類の交換と管理

▽3.患者の日常生活の支援:患者の状態に応じて看護師と協働
・食事の準備と介助
・入浴、排泄、更衣の介助
・寝返りや体位変換の補助

▽4.コミュニケーションの橋渡し
・患者や家族とのコミュニケーションの支援
・医療チームと患者・家族との連携

なお、実際の医療現場においては、ナースエイド(看護助手)本人が有する資格や経験、病院の方針によって、ナースエイド(看護助手)が行うことのできる業務範囲は異なります。患者さんの快適さと安全を最優先しながら、主に看護師業務の負担を軽減することを目的に、指示を的確に理解した行動をとることが求められます。

ナースエイド(看護助手)が必要とされる背景

ナースエイド(看護助手)が必要とされる背景には、いくつかの要因が関係しています。

▽1.高齢化社会・慢性疾患の増加
・人口の高齢化により、高齢者の医療・介護の需要が増加しています。
・生活習慣病などの慢性疾患を持つ人が増えており、長期にわたるケアが必要な状況が増加しています。
・高齢者や慢性疾患の看護では治療以外に介護が必要な場合が多く、看護師のような有資格者でなくともできる業務を担うナースエイド(看護助手)の存在が重要になります。

▽2.医療・介護人材の不足
・看護師や介護士の不足は、多くの国で見られている問題です。
・医療・介護分野で働く人材が不足している中、ナースエイド(看護助手)は医療業界をサポートし、ケアの質を維持するために必要不可欠です。

▽3.看護師の業務負担軽減
・看護師には専門的な行為が多く求められるため、現場での業務負担が非常に大きいです。
・ナースエイド(看護助手)ができる範囲で基本的なケアや日常業務のサポートを担うことで、看護師がより専門的な役割に集中できるようになります。

▽4.医療サービスの質の向上
・患者一人ひとりに対して細やかなケアを提供することは、医療サービス全体の質の向上につながります。
・看護師は患者に対して、より個別化した対応が可能になります。

▽5.コスト合理化
・医療費の増加を抑制するためには、効果的なタスクシフト・シェアを前提とした効率的な人員配置が求められます。

以上のような背景から、ナースエイド(看護助手)の役割は、医療現場においてますます重要性を増しています。

ナースエイド(看護助手)で活かせるスキル

ナースエイド(看護助手)で活かせるスキルには以下のものがあります。

▽1.コミュニケーション力
・患者や医療スタッフとの効果的なコミュニケーションができることは、どの業務を行う上でも極めて重要です。
・相手の気持ちに配慮した思いやりのあるコミュニケーションに加えて、正確な情報伝達能力が求められます。

▽2.精神力と体力
・医療機関での仕事は時として緊急性を要するため、迅速な対応を求められる場面で落ち着いて行動できる精神力が必要です。
・一日を通して大変よく歩くため、体力を維持し健康であることは必要不可欠です。

▽3.観察力と注意力
・患者の些細な変化や看護師が求めるニーズは何かに気づく観察力が求められます。
・指示された業務に見落としがないか、常に周囲に気を配れる注意力が重要です。

▽4.チームワーク力
・医療チームの一員として、協力し協調しあえる能力が重要です。
・他のスタッフとより良い連携をすることこそが、質の高いケアを患者に提供するための鍵となります。

▽5.柔軟性と適応能力
・予測不能な事態への対応を含め、状況に応じて柔軟に適応できる能力が必要です。

▽6.理解力とマルチタスク能力
・現場の状況を的確に把握し、指示を正確に受け止める理解力が求められます。
・複数の仕事を同時にこなすマルチタスク能力が有用です。

これらのスキルは、看護助手としての仕事に直接役立つだけでなく、キャリアを発展させる際にも重要な土台となります。また、他の医療関連の職種に転職する際にも有益なスキルセットです。

ナースエイド(看護助手)で身につくスキル

ナースエイド(看護助手)としての経験を通じて身につけることができるスキルには、以下のようなものがあります。

▽1.コミュニケーションスキル
・患者や家族、医療スタッフとの効果的なコミュニケーション方法を学びます。

▽2.基本的なケア技術
・入浴介助、食事介助などの基本的なケアスキルが磨かれます。

▽3.報告スキル
・医療スタッフへの正確な情報の報告方法を学びます。

▽4.チームワーク力
・医療チームの一員として協力するためのチームワークスキル=社会性が発達します。

▽5.判断力・行動力
・忙しい環境での時間管理やタスクの優先順位付けといった、判断力・行動力が身につきます。

▽6.ストレス耐性
・煩雑で緊急性の高い環境下で冷静を保ち、効率的に仕事をこなす能力が向上します。

ナースエイド(看護助手)として働くことで、これらのスキルだけでなく、患者のケアに関する深い理解や周囲への尊敬、感謝の心も育まれることでしょう。これらのスキルは医療分野に留まらず、他の多くの分野でのキャリアにも役立つ汎用性の高いものです。

ナースエイド(看護助手)に向いている人・向いていない人

ナースエイドに向いている人とは、以下のような特徴を持つ人です。

【向いている人】

1.思いやりがある:他人の気持ちに寄り添った理解ができ、思いやりを持った対応ができる人。
2.コミュニケーション能力が高い:効果的にコミュニケーションを取り、チームの一員として協力できる人。
3.忍耐力がある:時には困難な状況やストレスの多い環境下でも、冷静に対応できる人。
4.観察力が鋭い:細かな変化にも気づき、それを適切に報告できる人。
5.体力がある:持続して歩行でき、一日を安定して仕事に従事できる人。
6.マルチタスク能力がある:複数のタスクを効率的に管理し協働できる人。
7.柔軟性:状況の変化に対応でき、必要に応じて迅速に行動を変えられる人。
8.情熱を持っている:医療分野への強い関心と、仕事を通じて人の役に立ちたいという熱意を持つ人。

一方で、向いていない人は以下のような特徴があります。

【向いていない人】

1.自己中心的:他人よりも自分のニーズを優先し、自己判断する人。
2.コミュニケーションが苦手:言葉のやり取りや感情表現が不得手な人。
3.ストレス耐性が低い:厳しい状況や感情的な環境にすぐ圧倒されてしまう人。
4.体力に自信がない:持続して体を動かす仕事に耐えられない人。
5.柔軟性に欠ける:変化に対応することが難しく、固定化されたルーティンワークを好む人。指示された内容を素直に受け入れず、独自の理屈や反発心を生む人。
6.短気な性格:すぐにイライラしてしまい、忍耐力が足りない人。
7.観察力が不足している:細かな変化に気づかず、状況を正確に評価することができない人。

ナースエイド(看護助手)は多くの場合、患者の療養生活に密接に関わるため、上記のような人間的な資質やスキルは、職業を選択する上で重要とされています。

ナースエイド(看護助手)になるには?~求人形態・求人の探し方~

▽1.オンライン求人サイト
インターネット上の求人サイトや医療専門の求人サイトを利用して仕事を探す。キーワード検索や地域指定をして、求人情報を絞り込むことができます。

▽2.人材派遣・人材紹介会社
医療業界に特化した人材会社を利用すると、個々の希望に合った仕事を紹介してもらえることがあります。

▽3.職業安定所(ハローワーク)
公的な就職支援サービスを利用して仕事を探す。キャリアアドバイザーに相談しながら、適切な求人を探すサポートを受けられます。

▽4.医療機関への直接応募
病院やクリニック、介護施設などを直接訪問またはそのウェブサイトをチェックして求人情報を探す。自分から積極的に履歴書を送ることも一つの方法です。

▽5.職業訓練学校や専門学校
医療関係の職業訓練を提供している学校に通いながら、その学校が提供する就職支援を利用する。

▽6.ネットワーキング
医療業界の人脈を築き、情報交換を通じて未公開の求人情報を得る。

▽7.SNSやプロフェッショナルネットワーク
LinkedInなどのプロフェッショナルネットワークを活用して、求人情報を探す。FacebookやX(旧Twitter)などのSNSでも、求人情報が共有されることがあります。

▽8.医療関係のイベントやジョブフェア
医療関連のイベントやジョブフェアに参加して、直接採用担当者と会話する機会を持つ。

これらの方法を組み合わせることで、より幅広く、自分に合ったナースエイド(看護助手)の仕事を見つけることが可能です。自分の持っている資格や経験、そして働きたい地域や条件に合わせて探してみてください。

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【この記事を監修】
株式会社タスクフォース 代表取締役社長 鳴川光平さん
大阪市立大学医学部医学科卒業後、JPモルガンの東京拠点にてM&Aアドバイザリー業務及び資金調達業務に従事。その後三菱商事、カーライル・グループ及びベイン・キャピタルにて投資と経営サポートを経験後、2022年にメンタルヘルステクノロジーズのアドバイザーに就任。2024年から現職。無資格者でも医療機関で働けて医師や看護師のサポートを行えるナースエイドの派遣事業の拡大を皮切りに、医療業界の進展を目指す。

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株式会社タスクフォースとは、メディカル分野において多くの実績を持つ人材サービス企業です。主に、病院などの医療機関で働く「ナースエイド(=看護補助者)」の派遣に強みを持ち、関東、中部、近畿の大規模医療機関を対象に事業を展開しています。特に愛知県の大規模急性期病院向けの看護補助者領域においては 30%超(タスクフォース社推計)の高い市場シェアを有しています。2024年2月に株式会社メンタルヘルステクノロジーズ社のグループへ参画し、事業成長を加速させています。

<会社概要>
社名:株式会社タスクフォース
本社:大阪市中央区本町 4-4-24 住友生命本町第2ビル
支店:名古屋支店 名古屋市千種区内山3丁目26-2 名古屋董友ビル8階
    東京支店 東京都千代田区神田東松下町 18 番地 高正ビル6階
資本金:1億2,540万円
代表者:代表取締役社長 鳴川光平
設立:2001年2月
事業内容:労働者派遣事業(派 27-010411)
有料職業紹介事業(27-ユ-010246)

(まいどなニュース・20代の働き方研究所/Re就活)

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