Infoseek 楽天

小4息子の自由研究は「1日お母さん」 研究発表を見た大人「全小学生の夏の必修課題に」「なんか、泣けた」

まいどなニュース 2024年8月29日 7時10分

「夏休みも終わりー!!みんな宿題終わった? 今高校生の長男が小4の時にやった自由研究。当時かなり学校で話題になったので、良かったら見て下さい我が家のこだわりは全校生徒誰もやってなさそうな事をする!です」

夏休みの自由研究は『ボクが1日お母さんやった日』! 模造紙いっぱいに書き記されたのは、現在高校1年生の男の子の作品です。

研究対象であった母がX(旧Twitter)に投稿すると、「全小学生の夏の必修課題にしても良さそうなテーマ」「そのまま教科書にしたいレベル!」「胸がいっぱいで涙が出てきました」「生きる力を身につける良い研究」「行動力が凄い!!! (美容師の母の)アシスタントの仕事もきっちりこなすとは…」「来年4年の息子にぜひやってもらおうかな」「母へのリスペクトと愛を感じます」など賞賛のコメントが殺到。

母親のmiri.(やまぐち)さん(@miridesunen78 以下miri.さん)は、「夏休み終盤のなにげない投稿が大きな反響を呼び、びっくりしています。泣いた!、こんな子になって欲しい!など嬉しい言葉ばかりで一つ一つじっくり読ませて頂いて、感謝しています」。

なぜ、この研究を?どのように取り組んだのか?など、詳しい話を聞きました。

「お母さん研究、オモロそう!」とノリで始めたけども

現在高校1年生の長男が母の1日を自由研究のテーマにしたのは小学4年生の夏休み。当時母のmiri.さんは第3子を妊娠中でした。「高齢出産に差し掛かる年頃の妊娠は、仕事をするのも家事をするのも大変で。毎日、毎日、大変だ大変だと言ってました笑」。

そんななか夏休みの自由研究の話題になったときに、「“私を研究したらどう?”となにげなく言ったら、それ、面白いやん!となって…。それなら、警察署や駅の1日所長みたいな感じで1日お母さんやろう!となったんです」。

面白そうというノリで始めたそうですが、やるからには中途半端な取り組みでは駄目と伝え、いざ研究開始。「美容師の仕事」「家事」といった研究内容のカテゴリー分けについては、長男が考えつつ、miri.さんがサポート。

研究を実践するにあたって、「しっかりメモを取らせました!あとで絶対忘れるし、その時感じたこと、気づいたことはメモれ!と。その時の感情は後で思い出せませんから。そのメモを見ながら、まとめていました」。

『1日お母さん』では普段miri.さんがやっていることを実践。洗濯やゴミ出し、掃除などを行い、アイロンがけでは「初めてなので、緊張した。“あつっ”となった」ものの、「キレイにできた」と喜びの報告も記されています。

料理は、もちろん3食担当。スーパーへの買い出しで夕食の献立を決めることの大変さを実感しつつも、ハンバーグやサラダ、味噌汁、ごはんを調理。「ハンバーグの中に入れる材料を初めて知った。驚いた」と素直な感想を書いています。

また家事だけではなく、美容師の仕事ではパーマの際にペーパーやロット、ゴムの手渡、タオルをたたみ、使用した道具の洗浄も担当しました。

「本当に私が普段やってる事を忠実にやらせました!鬼(笑)なので、仕上がるまで責任を持ってやること!としっかり伝えました!」。仕事を通して、アシスタント業務の難しさや家のタオルとたたみ方が異なること、食事もままならないことなどを発見。

「美容師の仕事は、いろいろやることがあり、思った以上に大変だった。」と記し、研究をまとめた模造紙の総括は、「お母さんが1日でやることは大変ですごいな~と思った。でも楽しかったので、今後に活かしたいです」。最後には「お母さん、ありがとう」とmiri.さんの似顔絵付き。

「仕事と家のことは当初から分けていましたが、家事をすることで料理は大変だということがわかったようです。仕上げる時には、さらに料理というカテゴリーを立てていました。

生ゴミを触る時にもこんなことしてたん!大変だなぁーと言ってましたが、息子はどの仕事も嫌がらずにやっていて、本当に楽しかったと話していました。大変でしたが、親子のコミュニケーションも取れて、私にとっても良い時間になりました」と当時を振りかえります。

参観日で「お母さん研究の方ですか?」との声も

さて、夏休みが明けて学校に持参した自由研究は、大きな注目を集めることとなりました。

「夏休み明けの参観日では、この模造紙の前に人だかりができるという事態になったんです。私も似顔絵で登場しているので、たくさんのお母さんに“お母さん研究の方ですか?”って声かけられて笑。ママ友や先生などから“すごい!”“今までにない自由研究だ!”“うちの子にもやらせたい!”と言ってもらえました」

大きな模造紙に書けば、教室の壁に貼ってもらえるからたくさんの人の目に止まりやすいという考えが的中したわけですが、模造紙での制作はmiri.家のこだわりのひとつ。

まとめる際には、①色を使いすぎないこと!たくさん使うと注目して欲しいところがわからなくなる②写真をうまく使って説明する③箇条書きと文章にするのを分けることもアドバイス。これらをもとに、模造紙を広げて、長男がひとりで仕上げたそうです。

「ノートやスケッチブックを使ったこともありますが、手に取ってもらわないと見てもらえない…ということがあり、模造紙になりました! 大きいからまとめるのが大変!だからまとめる力が付く!それも勉強だ!」と言います。

「次男も、小学5年生の時に『料理で世界一周!』を自由研究のテーマにして、各国の料理を模造紙いっぱいに紹介しました。もはや、恒例です。先生も、“miri.家の模造紙だ~”思ってると思います笑」。

また、取材では、ユニークな研究テーマを見出すのはmiri.さんの母譲りだということもわかりました。「私の母は、自由研究をやるなら人と違うことを!と私に言っていました笑。私は勉強嫌いだったけど、自由研究は好きだったんですよ。それもあってか、自分の子供たちにもどうせやるなら楽しく、そして誰もやってない事を!と言っています。嫌々やるのはなんにも得られないでしょう」。

弟が夏休みに模造紙を広げていると「懐かし!」と言っていた長男は、現在、夢に向かって親もとを離れ寮ぐらし。「我が家は子供3人全員生後6ヶ月から保育園に入れてますし、いつもバタバタしています。子供たちがやりたいことは全力で応援、見守ってきた一方で、自立は大事だと考えているので、やれることは自分でやろう!と小さい頃から言ってきました。反抗期もそれなりにあったけど、寮生活で自立している、と思います」。 

(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・宮前 晶子)

この記事の関連ニュース