真夏の太陽が厳しく照りつける8月のある日、大阪府に住むOさんは、1匹の猫に出会いました。その猫は、知り合いのマンションのエントランスにじっと座り込んでいました。そこは、エアコンもなく、水も手に入らない場所。暑さの中でその猫が耐えている様子に、Oさんの心は強く揺さぶられました。
「このままでは、この子は熱中症になってしまう...」
その時、Oさんは決意しました。やせ細った体と半分しか開かない目を見た瞬間、彼女の心はすでにその猫を救うことを選んでいたのです。保護したその猫は、子猫だと思えるほど小さな体で、「EVE(イヴ)」と名付けられました。
Oさんの家に迎えられたEVEちゃんは、まるでずっと待っていたかのようにガツガツとご飯を食べ、疲れ果てた体を横たえてすぐに深い眠りにつきました。
「その時、EVEがイビキをかいていることに気づきました。安心感からくる深い眠りだと思うと嬉しくなりました」
EVEちゃんはとても人懐っこく、撫でられるとまるで長年の友のように身を委ねます。頭の後ろに丸い模様が二つあり、尻尾は綺麗な茶色に染まっています。そんな特徴を持つEVEが、今ではOさんの家族の一員となりました。
しかし、EVEちゃんにはまだもう一つの挑戦が待っています。Oさんの家には先住猫ELLEちゃんがいるため、今はまだお互いを警戒している状態です。しかし、Oさんは信じています。2匹の猫がやがて打ち解け、仲良く遊ぶ姿を見られる日が来ることを。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)