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未経験でも転職可能!? IT人材のニーズに応える「ネットワークエンジニア」とは

まいどなニュース 2024年9月5日 20時30分

IT技術やツールがインフラ化した現在、エンジニアをはじめとするIT人材へのニーズが高まっています。

ネットワークエンジニアは快適なネットワーク環境を提供する職種です。ネットワークエンジニアへの転職を目指すなら、仕事内容や働くメリットだけでなく、必要なスキルなども把握しておきましょう。

必要なスキルを身に付けておくと、未経験でもネットワークエンジニアに転職できる可能性があります。

本記事では、ネットワークエンジニアの具体的な仕事内容や働くメリットを解説します。求められるスキルや役立つ資格も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

ネットワークエンジニアとは?

ネットワークエンジニアとは、ネットワークの構築や保守、管理を担当する職種です。快適なネットワーク環境を維持するには、ネットワークエンジニアの存在が欠かせません。

ビジネスシーンでは、業務効率化を目的に、ソフトウェア製品やクラウドサービスといったITツールが数多く導入されています。

日常生活でもネットワークは重要なインフラとなっており、ネットワーク環境は今後ますます複雑化していくとみられています。 

インフラエンジニア・サーバーエンジニア・セキュリティエンジニアとの違い

ITインフラを支えるエンジニアには、複数の種類があります。ネーミングが類似しているため、混同されることも少なくありません。

ネットワークエンジニアと類似したIT職種には、インフラエンジニアやサーバーエンジニア、セキュリティエンジニアがあります。

インフラエンジニアは、ネットワークエンジニアとサーバーエンジニア、セキュリティエンジニアを含めた職種の総称です。
サーバーエンジニアは、サーバーの設計や構築・管理を担当します。
セキュリティエンジニアの仕事内容は、情報セキュリティの知識を活かしたサーバー・ネットワークシステムの設計、構築、運用、保守です。

このように、エンジニアは仕事を担当する領域によってネーミングが異なります。

ネットワークエンジニアの仕事内容

ネットワークエンジニアへの転職を目指している場合は、仕事内容を把握しておくことが大切です。ネットワークエンジニアの基本的な仕事内容を詳しく紹介します。

<ネットワークの設計>

IT機器を操作し、データやメッセージなどをやり取りするには、ネットワークが必要です。ネットワークとは、IT分野でコンピュータやスマートフォン、サーバーなどをケーブルや無線でつないで、情報をやりとりできる状態を指します。

ネットワークシステムを設計する際は、クライアントの要望を正確に把握することが重要です。

まずはクライアントにヒアリングを行い、要望を明確にし、要件定義書にまとめます。使用する機器の種類や数、回線などを決めていくのも、ネットワークエンジニアの役割です。

<ネットワークの構築>

クライアントの要望を正確に把握し、使用する機器の種類や回線などを決めたあとは、ネットワークを構築する段階に入ります。

ネットワークの構築とは、同じ建物や遠隔地の端末を接続し、情報通信できるようセットアップすることです。

設計したプランをもとに、実際に機器を設置して各種設定を行います。規模が大きい場合は、ネットワークの構築だけで数カ月を要することも珍しくありません。

ネットワーク構築直後は、何らかのトラブルが発生することがあります。システムに問題がないかを確認するために、テスト運用を実施します。

<ネットワークの運用>

テスト運用を実施し、問題がないことを確認したら、ネットワークを実際に運用します。基本的には、設計に基づいて運用します。

ネットワークシステムは、構築したら終わりではありません。快適なネットワーク環境を維持するために、機器の設定や構成の変更を随時行います。たとえば回線を増強する際は、機器の追加が必要です。

また、ネットワークエラーなどの異常が発生した場合、ユーザーに快適なネットワーク環境を提供できなくなります。そのため、異常を迅速に発見し、対応するのもネットワークエンジニアの重要な役割の一つです。

<ネットワークの保守>

一度構築したネットワークシステムは、通常長期にわたって運用されます。

しかし運用後に故障やトラブルが発生する可能性があるため、ネットワークエンジニアはシステムの定期点検やメンテナンスも担当します。

定期点検の際に故障やトラブルを発見したら、原因を特定し、適切に対処しなければなりません。また、定期点検時以外にもトラブルが発生すれば、迅速に現場に駆けつけて対応する必要があります。

ネットワークエンジニアを目指すにあたり知っておきたいこと

これまで固定労働時間制で働いていた場合は、ネットワークエンジニアに転職することで、ライフスタイルが大きく変わる可能性があります。
ネットワークエンジニアならではのワークスタイルを確認しておきましょう。

<多くの企業がシフト制を採用している>

ネットワークエンジニアの仕事は、基本的に24時間体制で行われます。常にユーザーがネットワークシステムを快適に利用できるようにしておく必要があるためです。

多くの企業で、3交代制が採用されています。3交代制では一日を3つの時間帯に分割し、交代で準夜勤や夜勤を割り当てます。実労働時間は8時間です。

ネットワークシステムの点検やメンテナンスは、基本的に利用者が少ない深夜や早朝に実施します。
ネットワークエンジニアに転職する際は、ライフスタイルが大きく変わる可能性があるため、事前に勤務体制を確認しておきましょう。

<急なトラブルへの対応が求められる>

万が一ネットワークシステムにトラブルが発生した場合は、早急に復旧作業を行わなければなりません。
しかし、ネットワークシステムは、いつトラブルが発生するかわからないのが現状です。トラブルは、早朝や深夜、休日に発生する可能性もあります。

企業の体制によっては、勤務時間外や休日に呼び出されるかもしれません。また、復旧するまで長時間を要することもあるでしょう。
復旧後は、再発防止策を検討する必要もあり、緊張感のある現場だと言えます。

ネットワークエンジニアとして働くメリット

これからネットワークエンジニアを目指す場合、働くことでどのようなメリットがあるかを把握しておくことも大切です。
働くメリットを把握しておけば、転職後もモチベーションを高く持って仕事に取り組めるでしょう。

<やりがいがある>

ネットワークエンジニアは、ネットワークを構築する職種です。設計や構築を経て、順調につながったときの達成感は大きいでしょう。特に大規模なネットワークを構築する際は、作業時間は長くなるものの、その分やりがいを感じられます。

一度構築したネットワークシステムは、運用後にトラブルが発生する可能性もあります。トラブルが起きたときに、復旧に向けて指揮を執るのもネットワークエンジニアの仕事です。自身の判断や対応が復旧の成否に影響を与えますが、的確に対応してシステムを正常に復旧できたときには、ネットワークエンジニアとしてのやりがいを感じることでしょう。

また、IT技術は日々進化しているため、仕事を通じて常に最新情報を得られるでしょう。仕事をしていく上で、ネットワーク設計や構築などの専門性の高いスキルも身に付けられます。

<将来性がある>

今や、ネットワークは電気・ガス・水道に並ぶ重要なインフラの一つです。今後も根強い需要が予想されるため、ネットワークエンジニアの将来性は高いでしょう。

ネットワークエンジニアの需要が高い理由の一つは、新型コロナウイルス感染症流行によるテレワークの増加です。2024年現在、感染症の流行は収束しつつあるものの、テレワーク実施率は依然として増加の傾向にあります。
しかし、テレワークを行う際には、ネットワーク環境の整備やセキュリティ面の不安などの課題が存在します。

テレワークを円滑に行うためには、オフィスを離れても快適な環境で働けるように、ネットワーク環境の整備が不可欠です。そのため、ネットワークエンジニアの役割はますます重要性を増しており、需要も高まっています。

また、近年は少子高齢化によって労働人口が減少しており、多くの業界で人手不足の状況が続いています。特にIT関連の人材不足は深刻です。経済産業省の調査でも、日本のIT人材は将来的に40~80万人の規模での不足が懸念されており、多くの企業が優秀なエンジニアを求めています。

※出典:経済産業省 商務情報政策局 情報処理振興課「参考資料(IT人材育成の状況等について)」

<未経験でも挑戦しやすい>

エンジニアには一定のIT知識やスキルが求められるため、未経験者はチャレンジしにくいと考える人がいるかもしれません。
しかし、ネットワークエンジニアには、ネットワークの監視や保守など未経験者でも取り組みやすい仕事があります。

特に20代はポテンシャルも重視されるため、未経験者でも応募企業にしっかりとアピールできれば、転職を成功させられる可能性もあります。
とはいえ、未経験者でネットワークエンジニアを目指すなら、必要な資格やスキルは身に付けておきましょう。

ネットワークエンジニアに求められるスキル

ネットワークエンジニアには、ネットワークの設計や構築などに関する知識のほか、さまざまなスキルが求められます。

<ネットワーク設計・構築スキル>

ネットワークエンジニアに必要な基本のスキルとして、通信環境の基盤となるネットワークシステムの設計や構築などの知識があげられます。

基本設計ではシステム全体の概要を把握し、事前にヒアリングしたユーザーの要望に沿ったネットワークの構成を考えます。基本構成図では、誰が見ても全体像がわかるよう、各機器やシステムを配置しなければなりません。

詳細設計では、基本設計で決めた機能を具体的に実現する方法を検討します。この段階では、機器のパラメーターやIPアドレスの管理表などのネットワークの構築に必要な情報をまとめます。

このように、ネットワーク全般の高度な専門知識が必要です。

<コミュニケーションスキル>

エンジニアは技術職のため、人との関わりが少ないとイメージしている人が多いかもしれません。

しかし、エンジニアの仕事では、クライアントにヒアリングを行い、要望を正確に把握しなければなりません。そのため、ネットワークエンジニアには一定のコミュニケーションスキルが必要です。

また、ネットワークエンジニアに限らず、ほとんどのエンジニアがチームで作業をします。仕事を円滑に進めるためには、クライアントやチームメンバーとのコミュニケーションが必須となります。

<情報収集力>

ネットワークエンジニアに求められるスキルの一つは、情報収集力です。情報収集力とは、質の高い情報を素早く獲得するスキルです。

IT技術は日々進化しており、新たな情報が数多く出てきています。しかし、世のなかに出回る情報は、すべてが正しいとは限りません。信頼できる情報源を見極め、必要な情報だけを選択することも、情報収集力に含まれています。

常に最新の情報をキャッチしておくことで、クライアントに有益な提案ができるかもしれません。新たな知識や技術を吸収し、仕事に活かすことが求められます。

<論理的思考力>

近年、就職や転職において、企業は応募者の論理的思考力を重視する傾向が高まっています。論理的思考力とは、物事を網羅的に整理して、論理的に考える力です。

急速に変化するビジネス環境では、状況を的確に分析し、論理的に説得し、課題を解決できる人材が求められます。

ネットワークエンジニアとして働くには、設計や構築の段階で複雑な情報を整理し、シンプルにしていく必要があります。論理的思考力があれば、トラブルが発生したときでも素早く原因を特定し、冷静に対処できます。

【未経験者必見】ネットワークエンジニアへの転職に役立つ資格

ネットワークエンジニアに関連する資格を取得することで、アピールに役立てられます。

<シスコ技術者試験>

シスコ技術者試験は、シスコ社の製品知識や技術を認定する試験です。試験に合格すれば、シスコ社の製品に関する技術や知識を持っていることを証明できます。

また、国際的な認定資格として広く知られている試験でもあります。多くの企業で評価されているため、エンジニア未経験者でも合格すれば、転職で有利に働く可能性があるでしょう。

シスコ技術者試験は、次の5つのグレードにわけられています。

・エントリー
・アソシエイト
・プロフェッショナル
・エキスパート
・アーキテクト

エントリーはエンジニアの入門的なグレードで、アソシエイト、プロフェッショナル、エキスパート、アーキテクトの順に難易度が高まります。エンジニア未経験者の場合、まずはエントリーからチャレンジしてみましょう。

シスコ技術者試験の詳細はこちら

<ITパスポート試験>

ITパスポート試験は、独立行政法人情報処理推進機構が実施する情報処理技術者試験の一つです。情報処理技術者試験は難易度に応じて、情報セキュリティマネジメント試験やITストラテジスト試験など、12の区分が用意されています。

ITパスポート試験は、ネットワークエンジニアの入門レベルに該当する試験です。試験の対象者像は、ITに関する共通的な基礎知識を持ち、これからITに携わる業務に就くか、担当業務に対してITを活用する人です。

ITパスポート試験に合格すると、ITに関する基礎知識があることを証明できます。試験方式は、CBT方式です。ホームページからは、CBTの試験会場で操作する受験画面を体験できるソフトウェアをダウンロードできます。

ITパスポート試験の詳細はこちら

<基本情報技術者試験>

基本情報技術者試験はITパスポート試験と同様に、独立行政法人情報処理推進機構が実施する情報処理技術者試験の一つです。ITに関する基本的知識や技能を持ち、実践的な活用能力を身に付けた人を対象としています。

受験者は経験者を想定しているため、入門レベルのITパスポートに比べると、基本情報技術者試験は難易度が高くなります。試験ではデータベースやネットワーク、セキュリティなどの分野が出題されます。

試験方式は、ITパスポートと同様にCBT方式です。基本情報技術者試験は、ITエンジニアの登竜門的な位置づけです。試験に合格すると、デジタル人材に求められる知識や技術を身に付けていることを証明できます。

基本情報技術者試験の詳細はこちら

<ネットワークスペシャリスト試験>

ネットワークスペシャリスト試験は、ネットワークシステムの設計や構築、運用のスキルを認定する国家資格です。ITパスポートと同様に、独立行政法人情報処理推進機構が実施する情報処理技術者試験の一つです。

難易度は、情報処理技術者試験のなかで最も高いレベル4に位置づけられています。対象者像は高度IT人材として確立した専門分野を持ち、固有技術の専門家として情報システムの技術支援を行う者です。

このように、高い専門知識や技術を持った人を対象としているため、合格すれば転職で有利に働きます。ただし、合格率は15%程度なので、ハードルが高いのが現状です。

ネットワークスペシャリスト試験の詳細はこちら

ネットワークエンジニアのキャリアパス

ネットワークエンジニアとして就職すると、1~2年間は監視や運用を担当するのが一般的です。3年目以降は構築や保守を任されるようになり、徐々に業務の幅が広がる傾向にあります。

ネットワークエンジニアとして一定の経験を積むと、ジェネラリストやITスペシャリストを目指せるでしょう。

ジェネラリストとは、職務に関して幅広い知識や技術を持つオールラウンダーな人材を指します。

ITスペシャリストとは、IT分野で高い専門性を持つ人材です。ITスペシャリストになるには、経済産業省が定めるITスキル標準のうち、レベル3以上のスキルを保有する必要があります。

また、ネットワークエンジニアとして働き、一定の知識やスキルを身に付けると、フリーランスへの転向を視野に入れることもできます。フリーランスとして働くには、ネットワークエンジニアとしての経験が3年以上あると有利になるでしょう。

スキルを身に付けてネットワークエンジニアを目指そう

ネットワークエンジニアは、ネットワークの設計や構築、運用、保守などを担当する職種です。

近年は、ネットワークエンジニアをはじめとするエンジニアのニーズが高まっているため、将来性が高い職種の一つです。IT知識やスキルがあることを証明できれば、未経験者でも転職できる可能性もあります。

ネットワークエンジニアに転職したい場合は、求められるスキルを身に付けられるよう日々努力しましょう。

(まいどなニュース・20代の働き方研究所/Re就活)

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