「携帯料金が通常より高額になるとのお知らせが携帯会社から届きました。なんと通話料だけで12万9321円。よくよく確認すると、中1の息子が番号でかけると電話料金がかかることを知らずに、夜中繋ぎっぱなしの状態を数週間続けていたようです」
背筋が凍るようなエピソードをThreadsに公開したのは5人の子どもを育てているAさん。
「LINEやInstagramのDMでの無料通話に慣れすぎて、電話番号で電話をかけると料金がかかるという事実すらよくわかっていなかったようで… そのような教育をしないまま、スマホを持たせていた私たち親にも責任はありますね。ため息が止まりません」と、後悔の念を綴っています。
Aさんによると、契約しているワイモバイルから速達で封書が届き、「7月分の携帯料金が高額であるため2日以内に支払うこと、支払わないと他の回線も止めます」という旨と支払い用紙が同封されていたとのこと。その後の対応を含め、お話を聞きました。
最初は不正請求なのかと…
――お知らせを目にした瞬間は?
開封した時、子どもたちを連れて出かける準備をしていたのですが、衝撃で手が震え、子どもが話しかけてくる言葉が全く耳に入りませんでした。
「え?なんで?どういうこと?」が頭の中をかけめぐり、急いで夫に「携帯料金の高額請求がきている。何かおかしい」とLINEをしました。このときいちばんに思ったのは「不正請求では?」ということでした。
――今の時代、しっかり疑うのは大事ですよね。
普段、携帯料金は家族割引を活用し、7名分で8000円〜9000円程度におさめていました。そんな中でこの高額請求はかなりの衝撃でした。
――息子さんだと、なぜわかったのですか?
夫からは心当たりがないという返事があったので、「携帯の料金がかなり高くなっている。だれか心当たりない?」と子どもたちに尋ねましたが誰もおらず。月々の料金をアプリから確認すると、ある番号だけが巨大な額になっていました。
中1息子の電話番号ということが判明し、本人に尋ねたところ「ショートメールはしたけど、電話は数回しかしてない」と。
――携帯会社に連絡は?
判明して息子のスマホをチェックすると、10万円を超えた時点でショートメールに警告のメールがきていたことが確認できました。それでも現実をすぐには受け止めきれず、携帯会社に確認の電話をしました。
オペレーターの方から、7月初めからほぼ毎日に渡り、数十円から始まり、数百円~最大約3万5千円ほどを積み重ね、何日にいくら電話料金が発生していたかを聞き取ることができました。この時点でもう確実に電話を長時間かけていたことが確定となりました。
支払いに本人を同行させました
――ショックで言葉も出ないですよね。
緊急措置で特別にいつもの支払い時期よりも早急に支払う旨の処置がとられたとのことで、回線を止められたら困るため、2日後に泣く泣く支払いました。
コンビニから支払ったのですが、支払うときに息子も同行させて「これだけのお金を使ってしまったのだ」ということを少しでもわかって欲しくて、見せながら支払いました。
――それは痛いほどにしっかりと伝わったかと。スマホに関してのルールは?
夜は使わないというルールを決めて、0時以降はロックをかけていたのですが、ロック中でも「緊急電話ボタン」を押せば番号で通話できることに息子は偶然気づいたようです。
電話をかけ始めた数日は、数十円の金額で、数日後から数百円、数千円と金額が上がっていたので、最初はおそるおそる、数日経ったら「これでどうやら電話ができそうだ」と確信を持ち、だんだん長時間かけるようになったみたいです。私も知識不足でしたし、夜は預かるべきだったと反省しています。
ーー息子さんは夜中ずっと通話を?
はい。繋ぎっぱなしでそのまま眠ってしまったこともあったようです。息子にとってもこの出来事を予想できたはずもなく、大変ショックを受けていました。
「このことはママたち親に責任があるし、認識が甘かった部分もある。それでも反省して欲しいのは、スマホを使う時のルールを破ったこと。そして最初に確認したときに本当のことを言ってくれなかったことだよ」と話すと、ボロボロと涙を流していました。深く反省していましたし、これからはルールを守ってくれると信じるしかないですね。しっかり見守っていこうと思います。
――その後、スマホの使い方などは?
このことをきっかけに、子どもたち全員とスマホの使い方について話し合いました。まず大学2年生の長男や、社会人の長女でさえも「電話番号で通話したり、ショートメールで使いすぎるとそれだけのお金がかかる」という認識がとても薄かったことを再確認できました。
中1息子に関しては基本的にスマホは預かるようにして、友達と外に出かける時や友達と連絡を取りたい時のみ、私の目の前で使うという約束になりました。また、高校生になったらアルバイトをして、少しずつ返してもらうという約束をしています。
――返済される予定なのですね。最近の若い子たちは、通話や動画での繋ぎっぱなしコミュニケーションを頻繁に行っている印象も。
今回のことを夫と話すなかで「自分たちが中高生の時も長電話で電話代が上がり、親に怒られたことがあったね」と思い出しました。最近の若い子たちは繋がっていることで愛情というか、安心感?のようなものを感じたりするようです。私たちの時代の長電話とは比べ物にならないレベルで、24時間以上つなげていたりすることもあるようで…。
その時代によって若い子たちの感覚も違いますし、それが良いことだとは思わないし理解もできないですが、「まあWi-Fi下でお金がかからないのならいいか…」という程度の気持ちでした。その「まあいいか…」という甘さも、今回のような出来事につながってしまったかもしれません。
――理解や認識の差も含めて、親も子もうまくスマホと付き合っていかねばとあらためて気づかされました。
この投稿を見て「子どもたちに注意喚起をするきっかけになった」というコメントをいただき、この出来事もほんの少しだけ報われる思いでした。
今回のことだけではなく、親世代と子ども世代の常識が全く違うのに、普段は表に出ずに気づいていないことって実は他にもあるかもしれないという点は考えさせられました。
自分の親世代と、自分の常識はもちろん違いましたもんね。特にここ最近は数年間で時代の変化がめまぐるしいので、子どもたちの環境に完全についていくことは難しいなと感じています。また親の立場から賛成できないこともたくさんあります。
しかし、理解できないから否定するのではなく、なるべく子どもたちの気持ちに寄り添う努力をしながらも、大人になる過程の中で伝えるべきところや、注意するところは見極め、親としての役目を果たしていく必要があるなと感じています。
◇ ◇
今回の案内について、ワイモバイルを提供しているソフトバンク株式会社(東京都港区)広報担当者に問い合わせたところ、「ワイモバイルでは、設定金額を超えるとメールでお知らせする『一定額お知らせメール』(申し込み不要)と、 設定金額を超えると利用を停止する『一定額ストップサービス』(月額110円)を提供しています。 意図しない高額請求を防ぐため、 これらを組み合わせてご利用いただくことをお勧めします。また、お子さまが初めてスマホをお持ちになる際には、 ご家庭内でルールを決めていただくことも重要です」とのことでした。
Wi-Fi下の環境やデータ無制限など、自由にデータ通信できることが当たり前となっている中でスマホを手にしている小・中・高校生がほとんどです。
今回の投稿には、危機感を抱く人や似たような経験をした人も多く、
「中学生の時家の電話を占領していたのを思い出しました。毎日会うのに夜な夜な電話しちゃうんですよね」
「スマホや電話についての正しい使い方を取り決める大チャンスですね。お金は本当に大変でお気の毒でしたが、諭すようにルールを作る良いチャンスだと前向きにお考えくださいね」
「同じく子どもの勘違いで通話料だけで数日間利用、6万円支払いした事ありますー。私も高い勉強代だと思ったけれど、それでもため息でちゃいますよね!」
「ヒッ!!!下手な怪談より怖… 取り急ぎ我が子たち(中1、小学校高学年)に電話の使い方について言いました」
「我が家も、Wi-Fi繋いでれば電話番号で電話しても無料だと思った、と言われました」
など、たくさんのコメントが寄せられています。
会社によって様々なプランや契約方法がありますが、機種代金、通信料、通話料などスマホの利用にはお金がかかります。ソフトバンクの他にも、NTTdocomoには一定額を超えたら教えてくれる「一定額到達通知サービス」(無料)、auには「料金安心サービス」(お知らせコース:無料、ご利用停止コース:月110円)なども各社にあり、申し込めます。こういったサービスを利用した上で、使い方や注意点など、あらためてお子さんとしっかりと話し合い、確認しておきましょう。
【ワイモバイル関連情報】
■一定額お知らせメール(無料)
利用金額が、一定金額を超過した場合におしらせメールを受け取ることができる機能。設定額は5,500円~11万円の間の金額を1,100円単位で指定可能。初期設定は11万円、通知はオンとなっている。オンラインサポート「My Y!mobile」から設定。
■一定額ストップサービス(月110円)
iPhone、スマートフォン、タブレット、ケータイのご利用金額が設定額を超えた場合、発信(音声発信・メールサービス・パケット通信)を停止するサービス。設定額は5,500円~11万円の間の金額を1,100円単位で指定可能。ワイモバイル対応アプリやショップ店頭で申込が必要。
(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・太田 真弓)