岡山市出身の俳優桜井日奈子さんを発掘した「スタコン オカヤマ」の第10回大会が16日、同市内で開かれ、最高賞のグランプリに、女子部門は高校2年武田晴安(はるあ)さん(16)=岡山県玉野市、男子部門は高校1年小西皆人さん(15)=岡山市=が選ばれた。
岡山県内を中心に166人(女子123人、男子43人)から応募があり、書類審査やカメラテストを通過した43人(33人、10人)が本選に出場。特設のランウエーを歩いた後、歌やダンスといった特技を披露して自己PRした。
武田さんは「取れると思っていなかったグランプリで自信が付いた。モデル業に興味があり、頑張ってみたい」、小西さんは昨年、入賞できず「悔しい思いをした」といい「リベンジが果たせてめっちゃうれしい。将来は俳優になりたい」と飛び切りの笑顔を浮かべた。グランプリには賞金20万円が贈られた。
岡山を盛り上げるローカルタレントの輩出を目的に2014年、岡山市内のモデル事務所などでつくる運営委が「おかやま美少女・美人コンテスト」としてスタート。23年の前回大会から名称を改め、21年から同時開催していた「美男子コンテスト」を統合した。
チャレンジが大きな一歩
フラダンス、けん玉、ものまね、変顔―。出場者が個性豊かなパフォーマンスを披露すると、約500人が詰めかけた会場は大きな歓声や笑いに包まれた。一方、コンテストは勝負。全力で自分をアピールしたものの受賞を逃し、悔しい表情を浮かべた人も少なくなかったが、会場では「ここからがスタート」とエールも聞かれた。
コンテストで司会を務めた阿部明日香さん(31)=岡山県倉敷市=は第3回大会に挑み、賞を取れなかった一人。「緊張に弱い自分を変えたいと挑戦した。(当時は)落ち込んだけど、大会を通じて人前で表現する楽しさを知ったことが糧になり、今の自分がある」と振り返る。現在はフリーリポーターやモデルとして活躍する。「チャレンジしたことが大きな一歩になる。きょう成果を残せなくてもいい。ここからが始まり」と呼びかけた。
昨年改称した「スタコン」は「スター」「スタート」と「コンテスト」を組み合わせた造語。美人や美男子の枠にとらわれず、地元の若者が輝き新たな一歩を踏み出す大会にとの意味を持たせた。通算応募数は10回目で延べ約2300人に上る。
運営委員長の平松靖英さん(53)は「若者が憧れ、成長につながるコンテストにしたい。たくさんの原石に輝いてほしい」と願う。
(まいどなニュース/山陽新聞)