山口県にあるシェルター「まあくんの家」が、保健センターから引き取った15歳の老犬「ゴエモン」くん。ゴエモンくんは、高齢の飼い主が施設に入所するため、身内の方に保健センターに連れて来られたそうです。シェルターでボランティアをしているのぶぶさんに、ゴエモンの現状について話を伺いました。
「ゴエモンの皮膚は乾燥していてカサカサで、ところどころにハゲも見られ、毛艶も良くありません。爪も異常に長く伸びていて、おそらく散歩もあまりしてもらえていなかったのではないでしょうか。」
ドッグランで歩かせてみると、ゴエモンくんはヨタヨタとぎこちなく歩き、久しぶりに自由に動いた様子が見受けられました。
「きっとここ数年は、非常に狭い空間に閉じ込められていたのだと思います。爪が曲がっていないことからも、ほとんど歩くことができなかったのでしょう。筋力も衰えていて、全身が皮膚病に侵されていますが、それでも人懐っこい性格で、目をしっかりと見てくれるんです。撫でるとすぐに頭を寄せてきて、本当に甘えん坊です。」
名前は元の飼い主がつけた「ゴエモン」をそのまま使い、今でも「ゴエモン!」と呼ぶと、ちゃんと反応して近寄ってきます。のぶぶさんもこう語っています。「元の飼い主がつけた名前で呼ぶのも悔しいけど、今後もゴエモン、ゴエって呼んであげます。」
現在、ゴエモンには里親希望者から数件問い合わせが来ていますが、まだ新しい家が決まったわけではありません(2024年9月29日現在)。
取材中にも、保健センターには、「入院するので飼えなくなった」と別の犬が持ち込まれたという報告がありました。高齢者がペットを飼う際には、後見人を立てたりペット共生型の施設に入居したりするなど、最後まで責任を持って一緒に過ごせる体制を考えることが大切です。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)